MPEGの特性を理解する〜三脚を使って画質改善
最近は、ことあるごとに携帯電話で撮影するように心掛けている。静止画だけじゃなく動画もガンガン撮影する。これはもちろん、今回の企画用のテスト撮影を兼ねてのことなのだが、おかげでいつも持ち歩いているコンパクトデジタルカメラの出番がすっかり減ってしまった。
いい風景にめぐり合ったり、かわいいイヌやネコなど動物を見かけたりすると、サッと携帯を取り出してピコーン(シャッター音)と撮るのだ。私の持つNTTドコモ「F905i」は液晶を横に倒すことで、特定のアプリケーションを起動するように設定できる。私は左に倒すと静止画モード、右に倒すと動画モードでカメラが起動するように設定した。被写体や状況に応じて、瞬時に目的のモードでカメラを起動できるようにしているのだ。
頻繁に撮影するようになったことで、動画を撮影する場合の注意点が見えてきた。F905iの場合、撮影中にカメラ(携帯)を動かしたり、被写体の動きが激しかったりすると、映像がカクカクしてしまう。映像の処理能力が追いつかなくなると、フレームレートを下げてデータ転送量を確保しているようだ。
動画圧縮技術であるMPEGは、限られたデータの転送量(ビットレート)の中で映像を構成する処理をしている。さらに画質を高めるため、画面内の動いている部分のみを描画し、止まっている部分は以前のデータを流用しているのだ。なので、まったく動いていないもの、例えば写真などを固定した状態で撮影するのが、もっともキレイに録画できるというわけ。また、均一面(べた塗り)が多ければ情報量が少なくなるので、アニメなども得意とするところだ。
MPEG映像が苦手とするのは、細かい輪郭の集合や動きが激しい被写体。満開の花ビラが画面いっぱいにヒラヒラしているとか、水しぶき舞う川瀬などだ。このような画面の場合、すべてをきちんと描画するためにはビットレートが足りなくなってしまう。ビデオカメラはテレビに出力することを前提としているので、30フレーム(60フィールド)/秒を崩すことはできず、ブロックノイズなど、画面の描写が完成しない状態で記録されてしまうのだ。F905iでは、逆にフレームレートを下げることで対応している。このため動きがカクカクしてしまうものの、フレームの一枚一枚は画面が崩れることなく描画されている。
画質をよくする(F905iの場合は動きをスムーズにする)ポイントは、“いかに安定した映像にするか”にかかっているのだ。つまり、画面が揺れる手持ちは避け、三脚などで固定してカメラをなるべく動かさないようにしたい。動かすとしても、なるべくゆっくりと動かすことが重要だ。F905iの動画撮影では「手ブレ補正」の機能はあるが、使うと15フレーム/秒となってしまう。やはり、三脚が必須なのだ。











