そんな折、「屋内スポーツを撮影するなら絶対D3の方がいいですよ。なんといっても、高感度特性が断然違いますから」という言葉をいただいた。これがきっかけとなって、D3の2台体制でいこうと思い切って予約を入れてしまったのが、確か昨年の10月始めごろの話だったか。

 その後、高校バスケットボールの全国大会である「ウィンターカップ」や、話題となったハンドボール五輪アジア予選の再戦の取材など、屋内スポーツ取材がいくつか続いた。また、暗い場所なのにストロボ撮影禁止、なんていう取材場所があったりもして、ガツンと感度を上げて撮影できるD3を導入してよかったなぁ、としみじみ感じたものである。

D3では、ISO感度は背面のISOボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回転させることで変更できるほか、メニュー画面でも設定できる。電源が入っていれば、背面の液晶パネルとファインダー内の表示で感度をいつでも確認できる(画像クリックで拡大)

 D3は最低感度がISO200、最高感度はISO6400となっているが、拡張設定でISO100相当からISO25600相当まで設定できる。高感度側の拡張は、さすがにふだん使う気にはなれない画質だが、ISO6400なら十分使える画質といえる。最低感度が今までのカメラより高いのは特に気にならず、低感度側の拡張を使うのは日中シンクロの時ぐらいだ。

 用途や被写体にもよるのだが、屋内スポーツならばISO3200やISO6400を使うことが多くなり、屋外スポーツでもISO1600あたりは当たり前のようになった。もちろん、感度を上げてもノイズの増加が少ないといえ、ノイズがまったくないわけではないので、むやみやたらと感度を上げてはいない。

女子ハンドボール五輪アジア予選の再戦となった日本対韓国戦で、激しいディフェンスを受ける田中美音子選手。テレビ中継が入る体育館とはいえ、決して明るくはなく、激しく動く選手の動きをある程度止めて写すには速いシャッタースピードが必要だった。1/800秒で撮影できたのは、ISO6400という高感度で撮影できたから。ノイズは確かに見られるが、このぐらいなら問題なく使えるレベルだ(D3にて撮影、ISO6400、1/800秒、F4)

 ちまたでは、D3の高画素版を期待する声が大きいようだが、個人的にはこれ以上の画像サイズは今のところ不要だと感じる。高感度の描写性能が失われるならば、不必要な高画素化はする必要がないなぁ、というのが正直なところだ。

著 者

星 智徳(ほし とものり)

 近ごろの新製品ラッシュに目まいがする今日このごろ。広角好きとしては、各社から28mm相当に対応したコンパクトデジカメが多数発売されたのがうれしいところ。とはいえ、最近リコーの「GR DIGITAL II」を買ったばかりなので、そうポンポン新しいカメラを買うことはできないのですがね。