雲南に来てから毎日涼しい。特に朝夕は寒いくらいだ。標高が高いからだろうか。昆湖飯店は、安いし、きれいだし、くつろげる食堂があってメシもうまくて冷え冷えのビールが四種類もあり、旅行会社・銀行・駅・バスターミナル・屋台街にも近いというパーフェクトな宿だった。しかしこの宿とも今日でお別れだ。朝、最後の米銭を食べたが、相変わらず旨かった。

 高速バスは、ぺー族自治州の州都大理まで100元(約1600円)もする。そのかわり、リクライニングシート、エアコン完備で快適だ。ペットボトルの水も配られる。そして小さいポリ袋も。「これ何かな?」「ゲロ袋にしちゃ小さいよね」と話していると、隣でこの袋に「カーッ、ペッ!」とタンを吐く人がいる。なるほど。これはタン袋だったらしい。

 車内には、甘く切ない中国語のバラードがかかっていた。今までいろんなバスに乗ったが、たいていかかっている音楽はこの系統だ。町の中のCDショップでも、スーパーでもそうだ。こういう音楽が流行りらしい。しかし、どこでもタンを吐き散らす中国人。ゴミもそのへんにポイ捨てだし、歩きタバコも当たり前、ドアのないトイレにまたがって、平気で用を足しながら話をする中国人。ホテルのフロントで、ラーメンを食べながらダルそうに接客する中国人。そんな彼らとこの繊細なバラードにはとてつもないギャップがあり、とうてい結びつかない。いったい彼らの思考回路と精神構造はどうなっているのか

 バスは11時に出発。途中トイレと昼食の休憩をはさんで、4時半頃大理に着いた。安順とそう変わらない程度の地方都市といった感じだ。ここから旧市街の古城までタクシー。これがかなり遠くて20分くらいかかった。

大理の旧市街の古城(画像クリックで拡大)

 目指したのは洋人街にある楡安園という宿。ここもバックパッカー御用達という評判だったので、昆湖飯店みたいな快適な宿を期待していた。洋人街は、「タイのカオサンロードか?」と思うほど、土産物屋が軒を連ね、これまで全然見かけなかった欧米人が、ウヨウヨ闊歩していた。楡安園にも白人旅行者が多く、ネットカフェがついていたり、フロントで英語が通じたりするのはいいが、部屋はチャチくてこれで100元(約1600円)ははっきり言って高い。しかし観光地なのでしかたがない。

大理の洋人街(画像クリックで拡大)