「魔界」を舞台にしたギャグ要素満載のストーリーと個性的なキャラクター、そして数百時間でも遊べる常識破りのやりこみ要素で人気を集める『魔界戦記ディスガイア』。第2回目となる今回は、『ディスガイア』シリーズ・プロデューサーの新川宗平氏インタビューを交えながら、最新作『3』を中心に今後の展開に迫っていく。

新川宗平(にいかわ・そうへい)
日本一ソフトウェア 取締役 エンターテインメント事業部部長。1996年に同社入社後、数多くのゲームソフト開発に携わる。代表作は『魔界戦記ディスガイア』シリーズ、『マール王国の人形姫』シリーズなど。(画像クリックで拡大)

――PSPの新作として『魔界戦記ディスガイア PORTABLE 通信対戦はじめました。』が発売されたばかりですが、PSP版のコンセプトとは?

新川氏:「いつでもどこでもやりこめたらいいよね」です。家に帰ってもテレビでプレーできる時間は限られていますよね。『ディスガイア』はレベル上げの要素も大きいですから、電車の中や仕事の休憩時間にも遊んでもらえればという思いで用意しました。新作の『~通信対戦はじめました。』は、「対戦」という日本一ソフトウェアの触れていなかったゲーム要素に取り組みました。今回はアドホックモードという1対1の対戦ですが、将来的にはもっと広がりのある遊び方を提案していけるのではないかというところまで視野に入れています。

――次回作では対戦に加えて、マップエディットモードがあるとより楽しくなりそうですね。

新川氏:『~通信対戦はじめました。』は、おバカな世界を共有し、遊んでもらうというコンセプトのゲーム。ですから、ユーザー同士で作ったマップを攻略し合ったり、インターネットを通じて新しいマップを配信したり、そういった要素があるとさらにやりこみの楽しみが広がりそうですね。

PSP『魔界戦記ディスガイア PORTABLE
通信対戦はじめました。』
 
<商品データ>
機種:プレイステーション・ポータブル
メーカー:日本一ソフトウェア
カテゴリー:シミュレーションRPG
発売日:2007年11月29日
価格:2940円
(C)2007 NIPPON ICHI SOFTWARE INC.
 2006年11月に発売されたPSP『魔界戦記ディスガイア PORTABLE』に通信対戦機能を追加搭載した作品。ほかにも、人気隠しキャラ・アサギのユニット使用(通信対戦モードでの条件クリア時)やプレーヤー同士のアイテム売買、戦闘演出のON・OFFなど、数々の新要素が追加されている。

――来年1月には待望のシリーズ最新作『3』が発売になりますが、『3』の制作立ち上げはどんな感じだったのでしょうか?

新川氏:『2』を作った後に『ソウルクレイドル』というシミュレーションRPGを1本作りながら、次の展開を模索していました。そのころはちょうどPS3、Xbox 360、Wiiと新世代機が出そろうタイミングでもあり、日本一ソフトウェアとしても今後どうしていこうかという時期でもありました。そこでこれまでPSフォーマットで制作を進めてきたことから、ユーザーもPSユーザーがメインだろうと考え、まずはPS3で作ろうということを決めました。そしてPS3で何を出すかと考えたときに、ちょっとした商品では他社の大作の陰に隠れて見てもらえないと思い、『ディスガイア3』しかないだろうと判断しました。

――PS2でもう1作ではなくあえてPS3を選ばれた理由は?

新川氏:PS2で出すという選択肢もありましたが、いずれPSフォーマットのタイトルはPS3に移行していくでしょうし、『3』が発売されるころにはPS3の普及も、より高まっているであろうと考えました。ユーザーからはPS2で出してほしいという要望もあって、かなり悩んだところではあったのですが、ここはあえて決断しました。対応ハードを新しくすることで、今まで『ディスガイア』シリーズを遊んだことのない新規ユーザーにも購入してもらえるのではと考えています。あとは『ディスガイア3』のためにPS3を買おうというユーザーがいるとうれしいですね。

――PS3になって変化したのはどんな面でしょうか?

新川氏:グラフィックが綺麗になったというのは当然ありますし、同時に出せるキャラクター数が増えていたりだとか、PS2では処理が重くなるような演出を入れたり、細々したところで違いが見えると思います。ただ、日本一ソフトウェアはハードの性能を100%引き出すことがゲームの面白さにつながるとは考えていませんし、引き出したからといってユーザーに喜んでもらえるとも限りません。無理に背伸びしてコストをかければ、ソフトの値段を上げたり、ユーザーが望んでいない状況になってしまいますからね。

――日本一ソフトウェアらしさですね。

新川氏:そうですね。『3』のプロジェクト立ち上げの際、「PS2でやれることをまずやれ、ハードの性能を100%引き出そうとするな」とスタッフに指示を出しました。その後PS2でやれる内容を網羅してから、PS3のエッセンスを加えていくという作り方をしました。だからこそ日本一ソフトウェアのようなソフトメーカーでもPS3という新ハードに対応できたというのがあります。当然、今作っている『3』をPS2で作れるかというと、全体的にパワーアップしてますからそれは無理ですよ。あと、目に見えない部分ですが、ローディングでストレスが溜まらないようにするなど、プレー環境を快適にするという面にはこだわっています。マシンスペックはそこにもかなり費やしていますね。