2007年11月27日、携帯電話用コンテンツ事業者向けのカンファレンスイベント「mobidec 2007」が行われた。mobidecは今年で7回目の開催となっており、携帯コンテンツの流行や、今後の潮流を見る上でも重要なイベントとして位置づけられている。

 昨年のmobidecは、SNSや検索サービスといった一般サイト向けコンテンツの勢いを大きく示す内容となっていた。だが今回の講演は、もはや「公式・一般」という従来の携帯サイトの常識ではくくることができない、より大きな潮流が訪れているということを切に感じる講演が多数行われていた。

コンテンツ関連のイベントでは異例、次世代通信方式の講演が2つも

 携帯コンテンツに関連したサービス、統計、技術情報の発表などが講演の中心となるmobidecにおいて、今回は、異例とも言える講演が2つも行われた。1つは、KDDIのWiMAXボードメンバーである冲中秀夫氏によるWiMAXの講演、そしてもう1つは、ウィルコムの黒澤泉氏による次世代PHSの講演である。

 これらの通信方式は、多くの人がご存じの通り、近く2.5GHz帯での免許発行が行われる次世代通信方式であり、2つの免許に4社が取得を表明、激しいアピール競争を繰り広げている。この時期に講演を行うということは、もちろん、免許取得のためのアピールという側面も大いにあるだろう。だが、携帯電話の技術関連のイベントではなく、その上で動くコンテンツ業界に向けたイベントでアピールを行うというのはかなり異例。次世代通信の導入を見越し、その上で必要となるコンテンツを獲得したいという、各陣営の狙いもありそうだ。

基調講演では、KDDI執行役員の冲中氏によるWiMAXの講演が行われた。内容はWiMAXの概要説明が中心であったが、KDDIが中心となって設立した「ワイヤレスブロードバンド企画株式会社」の取り組みもアピールしていた(画像クリックで拡大)

ウィルコムの黒澤氏による次世代PHSの講演では、PHSの最大の特徴である「マイクロセル」が次世代でも生かされ、マクロセルを採用するWiMAXとの大きな違いであることを説明(画像クリックで拡大)

デバイスの広がりも見越し、iPhoneやiPod touch関連の講演も

 通信方式だけでなく、取り扱うデバイスに関しても、大きな変化が見られた。mobidecの参加者は公式サイトを運営するコンテンツプロバイダーが中心であるため、従来は「携帯電話」で動作するコンテンツやアプリケーションについての講演がすべてといっても過言ではなかった。だが今回は、「iPhone/iPod touchが開くコンテンツビジネスの可能性」と題した、iPhoneやiPod touchに関する講演が行われたのである。

 無論、iPhoneは日本で未発売の端末であり、iPod touchは無線LANを内蔵しているとはいえ、その名前が示す通り、音楽プレーヤーである。しかも講演の進行役であるフリーランステクノロジーライターである大谷和利氏をはじめ、参加者は、携帯コンテンツの業界ではあまり見ることのない面々であった。こうした、コンテンツプロバイダーのビジネスにまだ直接結びつかないデバイスに対する講演が行われたというのも、 かなり異例だったと言えよう。

今回のmobidecでは、iPhone/iPod touchに関する講演も行われた。進行役の大谷氏はMac関連で非常によく知られているが、携帯コンテンツのイベントに登場するのはかなり異例(画像クリックで拡大)