【品田流ヒット研究所とは?】

 日経エンタテインメント!創刊編集長の私、品田英雄は、これまで数々のヒット現象を目撃してきました。その経験を活かし、知人、部下、著名人の方々といっしょに楽しみながら、現代のヒット現象を分析してみようというのがヒット研究所設立の理由です。

 調査員は、ライターの平山ゆりの、日経エンタテインメント!編集部員の白倉資大と、まだ少ないですが、今後、もっと仲間の輪を広げていく予定です。

 さらに、ヒット研究所では、読者の皆様にも調査員としてご参加いただきたいと思っております。お読みになった感想や、最近見つけたヒット現象の目撃談をぜひともお寄せください。今後ともヒット研究所を宜しくお願いいたします。

品田流ヒット研究所 所長 品田英雄

こんにちは!ヒット研究員・平山ゆりのです。
前回の「小さな誤解が大ヒットに!2000円のとんかつ定食に女性達が1時間も並ぶのはナゼ!?(前半)」は読んでもらえましたか?今回も引き続き、キムカツの話題です。 「キムカツって何?」という方は、まずは前回の記事でお勉強を!
今回は、キムカツにまつわる噂の真相を解明し、キムカツを語る上で外せない重要人物を紹介します。果たして、我がヒット研究所所長・品田英雄は、キムカツのヒットをどう分析するのでしょうか?

キム兄・バラ肉・低カロリー! キムカツにまつわる3つの誤解

国産豚ロースを超薄切りにして25枚も重ねているんです。

品田「それにしても儲かりすぎだよね、キムカツ。バラ肉を使ったとんかつが定食で1930円なんてさ!!ねぇ?」

平山「違いますよ、所長!キムカツが使っている肉は、バラ肉じゃなくてロース。バラ肉よりずっと高級なんですよ。前回説明したじゃないですか」

品田「アレ?そうだっけ?僕は、薄切り肉を重ねているからてっきり、バラ肉を使っていると思い込んでいたよ」

平山「所長のように思っている人は多いと、広報担当者も言っていました。実は他にも、キムカツにまつわる誤解ってあるんですよね・・・」

「キムカツ」と「キム兄」は、全くの無関係

 キムカツには、噂が1人歩きしたような誤解が存在します。まずは、品田所長も思い込んでいた「バラ肉を使っている」ということ。確かに、もともと家庭料理だった「重ねカツ」は、バラ肉を何枚にも重ねて揚げるものでした。しかし、「キムカツ」を開発したインテグレーションは、最高クラスの国産ロース肉の塊を薄切りにして重ねる「キムカツ」として世に出しました。ですから肉の原価は決して安くないのです。

 続いては、「木村祐一(キム兄)プロデュース」という誤解です。キム兄は、食通の芸能人たちをもうならせるプロ級の料理人として知られ、その腕前は何冊かの料理本を出すほど。広報担当の話によると、今も思い込んでいる人が多いらしく店や本部にキム兄に関する問い合わせがあるんだとか。私も以前キムカツ本店前で順番待ちをして並んでいた時、前にいた女性が「キム兄がつくった!」と断言していたのを耳にしました。そういえば、キム兄が作る鍋料理を「キム鍋」と呼んで話題になっていたこともありました。「キムカツ」と聞いて「キム兄プロデュース」と思い込むのは無理もないかもしれません。ちなみに、キムカツの「キム」は、「希夢」。希望と夢のあるとんかつが由来だそうです。

 もう一つは「カロリーが低い」という誤解。キムカツについて書かれたブログ等を読んでいると、「サッパリと軽く食べられる」=「低カロリー」と考えている人が多いようです。しかし、残念ながらそこの関係性はゼロ。キムカツ自身もどこにも「ヘルシー」だとはうたっていません。使っているパン粉や油にもよりますが、肉だけでいえば、1枚、1枚の間に肉汁が溜まるので、カロリーは通常のとんかつより高いといえます。

 噂やイメージが勝手に1人歩きしていることも、キムカツヒットの大きな要因なのではないでしょうか。