新連載「小原由夫の『ひとつ上ゆくAVの愉しみ』」は、“ちょっとだけ頑張った”AVの愉しみをAV評論家の小原由夫氏が提案する。少しだけぜいたくにしたり、少しだけこだわりを持つだけでも、より深くオーディオ&ビジュアルに親しむことができる!?
HMV新宿にもない、東口のビックカメラやさくらやにもなかった。東京メトロに飛び乗って、やってきたのは有楽町。駅前のビックカメラも、銀座インズのHMVも数寄屋橋HMVも在庫ナシ。一体全体、どうなってるの!?
2007年11月7日に発売された「ダイ・ハード4.0」のBD盤。「ダイ・ハード」から「ダイハード3」まで3作のBD盤および、全4作品を収録した「ダイ・ハード クアドリロジー ブルーレイディスクBOX」も同時発売された
何がって、「ダイ・ハード4.0」がいずこも軒並み売り切れなのだ。私が欲しいのは、店頭の特設ワゴンにドーンと大量に陳列されたDVD盤ではない。フルHD画質で観られて、サラウンドも最新のDTS-HDマスターオーディオ付きのブルーレイ(BD)盤である。しかもそれは、発売日当日、11月7日水曜日の午後なのだ。同時発売の「ダイ・ハード」「ダイ・ハード2」「ダイ・ハード3」はDVD盤もBD盤もあり、4作品がパックされたお徳用BOX「ダイ・ハード クアドリロジー ブルーレイディスクBOX」もしっかり積まれているではないか。だがしかし、「ダイ・ハード4.0」のBD盤だけが、ものの見事にないのである。
早い話が売り切れてしまったのだが、もともとBD盤は、生産枚数も入荷数もおそらく限られていたのだろう。さらには、この作品の凄まじい高画質・高音質ぶりを知っている目ざとい先進的AVファンが、限られた入荷から我先にと、涼しい顔してお買い求めになられたのだろう。
ここで話は突然変わるが、貴方のお宅にソニー・コンピュータエンタテインメントのPS3はあるだろうか。何? 持っている。それでもって「ダイ・ハード4.0」をまだ買っていらっしゃらないのであれば、悪いことは言いません、BD盤をお買いなさい。ご近所や親戚に自慢できる、疾風怒涛の体験が待っているのです。
最新のプレーヤーは性能が著しく向上しているとはいえ、DVDの画質は、フルHDの高解像度を有したBDにはとても及ばない。そんなBDが、PS3で再生できるという事実を貴方はご存じだったろうか。
PS3は単なるゲーム機ではない。BDが再生できるうえ、単純な再生ではなく、1080/24Pというフラットテレビでの映画再生に適したモードでの出力も可能だ。なおかつ、新しい機能が追加されれば、バージョンアップという形で性能が強化できる。つまり、常に最新のBDプレーヤーと同等以上の性能を維持できる可能性を有しているのである。
そんなPS3で観られる「ダイ・ハード4.0」の凄さとは……。映像は、クリアで精巧な質感再現と稠密なグラデーションが素晴らしい。サラウンド音声は、最新のロスレス規格(スタジオと同等のマスター音声が楽しめる)で収録されており、物語のハイライト、ブルース・ウィリス扮するマクレーン警部補が運転するトラックと、F35戦闘機の一騎打ちは、まさしく手に汗握るスリリングな展開で、凄まじい迫力だ。ミサイルで崩れ落ちる高架道路の轟音、機関銃で木っ端微塵になるトラックの荷台の粉砕音など、これでもかのつるべ打ち大音響なのである。
私はこのBD盤の発売前に、仕事でその一部を観ることができたのだが、絵と音のあまりの凄さに唖然としてしまった。発売日にはぜひ買おうと思ったことは言うまでもない。
ところが、それが押し並べて売り切れときたもんだから、年甲斐もなく、地下鉄を乗り継いで捜し回ってしまったというわけだ。手に入らないとなると、なおさら何としてでも欲しくなるのが人情。この作品の凄さをホームシアターでいち早く楽しんでいるAVファンがたくさん居るかと思うと、悔しくて悔しくてたまらない……。
エッ? その後お前はBD盤は入手できたのかって? お陰様で発売日から3日後、ダメモトで地元の大型量販店をのぞいてみたら、6枚ほどの在庫ありで、難なくゲット。聞けば、発売日初日からストックがあったという。
あの日の苦労は何だったのか……。私のあの半日を返して!











