文部科学省文化審議会著作権分科会の委員などを務める、IT・音楽ジャーナリストの津田大介氏が、ネット時代のコンテンツトレンドを解説する。

 現在、ネットのコアユーザーを中心に、現在文部科学省文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会で議論されている著作権法改正案が議論の的になっている。

 問題となっている項目は「ネット上に違法な状態でコピーされた音楽や動画の著作物をダウンロードする行為を著作権法30条(※)の適用外とする」というもの。これは、要するに違法な音楽・動画ファイルをダウンロードすることを「違法」にするということである。

 日本の著作権法は1997年の著作権法改正により「送信可能化権」という権利が認められ、ネット上に違法な著作物をアップロードすることを権利者が止めたり、摘発することができる。これにより、違法な著作物を「アップロードした者が悪い」という原則ができていたわけだが、今回の改正案はアップロード者だけでなく、ダウンロード者も咎(とが)めることができるようにするというもの。ただし、利用者保護の観点からいくつかの「条件」が付けられている。一つは「録音」「録画」に限るということ。つまり、テキストや写真、絵画、マンガなどの著作物は今回の対象から外れる。もう一つは「情を知って」という制限事項が付くということ。違法かどうかよくわからないでダウンロードした場合、違法行為にはならない。最後の一つは刑事罰がない、ということだ。これはつまり、未成年者の飲酒やNHKの受信料支払いと同じで、違法行為をしたところで「逮捕」されることはない。ただし、レコード会社やテレビ局から民事訴訟を起こされる可能性はある。

※著作権法30条は「私的使用のための複製」を認めている項目。