CMが面白くても、商品が売れるとは限らない。アーティスト活動をしながら、大手メーカー広告マンの顔も持つ伊藤洋介氏が、ヒット商品の秘密をCMから読み解く。

会社役員という設定の中国人2人がメーンのCMで、北京ダックや火鍋、鉄板焼などといった脂っこい料理を楽しむシーンが印象的。CMで使われた「黒烏龍茶の歌」も話題に
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(画像提供:サントリー)

 発売以来、売り上げ好調を維持している「黒烏龍茶」。もともと烏龍茶は日本の食文化に定着していたわけで、さらに世の男性の誰しもが関心のある中性脂肪の上昇を抑える効能がプラスされたとあっては、売れて当然ってところでしょうか。キシリトールの出現により、ガムの市場が大きくなったことと、その理屈は同じです。したがって、おそらく発売前からサントリー内でもある程度は売れる見込みを立てていたことは容易に想像されます。

 で、彼らがその見込みを実現すべく制作したCMが、架空の会社である黒烏龍茶公司の役員達によるシリーズ広告。昨年、このCMを初めて見たとき、「これ、飲まなきゃ」と、僕は即座に購買意欲を掻き立てられました。15秒間の佇まいに、メーカー側の自信が満ち溢れていたからです。そう僕が感じた要因は大きく二つ。