日本人というとリズム音痴という先入観は根強い。だが長く外国人の耳でJ-POPを分析してきたマーティは、実は違うのではと唱える。その理由を「9mm Parabellum Bullet」「チャットモンチー」「Perfume」という若手3人組の新曲を例に語る。

 なお現在発売中の「日経エンタテインメント!」10月号(表紙・沢尻エリカ)では「ザ・ブリリアント・グリーン」「松浦亜弥」「東京事変」を斬っています。こちらもどうぞ。


 「日本人というとリズム音痴」って言われることも多いみたいだけど、J-POPをたくさん聴いてきた結果、そんなことはない気がしています。というのもJ-POPの中には、歌ったり演奏したりするのが難しい“変拍子”だったり、変なリズムパターンの“プチ変拍子”だったりの隠し味がしょっちゅう入っているからです。

 プログレみたいにテクニカルでマニアックな音楽なら変拍子が多いのも分かるんです。テクニックを見せつけるのが、そういうジャンルの特徴じゃん。

 だけど日本の場合、お茶の間に流れる普通のポップミュージックの中に変拍子が混じっている。しかもメロディーを邪魔しないようにこっそりです。それが実は曲のフックになっているのも興味深いところです。

 これは前から思っていたんだけど、今回聴いた3組の新曲を分析して改めて実感しました。

9mm Parabellum Bullet
『Discommunication e.p.』
07年10月10日に発売するメジャーデビューシングル。「この難しいビートを流れの中で聴かせる才能はすごい。80年代に人気だったディーヴォを思い出しました」。

 『Discommunication e.p.』でデビューする9mm Parabellum Bulletは、「新人なのになんでこんなにうまいの?」と驚いてしまうくらいタイトなサウンドを鳴らすヘビーロックバンド。時計の中の機械みたいで、このタイトさにはあこがれちゃうくらいです。

 特にリズム感は抜群じゃん。A面の曲は超コロコロとビートが変わっていくのに演奏は正確だし、もっとすごいのはライブで演奏した10曲が入っているB面で、もう変拍子だらけです。こういう構成だと普通はノリが止まってしまいそうなんだけど、それが攻撃的なまま続くから驚きます。メロディーセンスも抜群だし、ギターもうまいし、ギターソロも面白い。すごい才能を見つけたと感じました。