シリーズ生誕10周年を迎えた『アーマード・コア』シリーズ。ロボットアクションゲームの最先端として、常に時代を牽引してきた同シリーズは、昨年12月にプレイステーション3(以下、PS3)で新作『アーマード・コア4』を発売。さらに本年3月には同タイトルのXbox 360版をリリースした。プラットフォームを次世代ゲーム機に移した『アーマード・コア』は、今後いかなる道を歩むのか。シリーズの生みの親、鍋島俊文氏がその展望を語る。

次世代ゲーム機で幕開ける新章

鍋島俊文(なべしま・としふみ)氏:フロム・ソフトウェア プロデューサー。『アーマード・コア』シリーズのプロデューサーとして活躍する一方で、昨年はセガとの共同開発タイトル、Xbox 360用『クロムハウンズ』をリリース。最新作『アーマード・コア4』でも引き続きプロデューサー業を担当した

――発売から半年が経ちました。改めて『アーマード・コア4』を振り返ってどうでしょうか。

鍋島氏(以下、敬称略):新たに搭載したネットワーク対戦機能が、大きな役割を果たしました。多くのファンから要望の多かった機能だけに、ようやく搭載できて一安心です。ネットワーク機能によってシリーズがどう変わるのか、新たに『アーマード・コア』をプレーするユーザーがどれくらいいるのか。我々にとっても興味深い部分でした。

――ユーザーも積極的にネットワーク機能を利用しているようです。

鍋島:これまでは身の回りに『アーマード・コア』を一緒に楽しむ仲間がいないと対戦プレーを楽しめませんでしたよね。地方在住のユーザーは、どうしても対戦の機会が少なかった。対策として、これまでは『アーマード・コア』の全国大会を各地で行ってきました。しかし、それでは抜本的な解決にはならないですよね。それだけにネットワーク機能への対応は非常に重要な意味を持っていました。何しろ24時間、好きなときに対戦プレーで遊べるようになったんですから、この違いはやはり大きいですよ。

――ユーザーが腕を磨く機会が均等になったわけですね。

鍋島:『アーマード・コア』は常々、ユーザーがどこまでも創意工夫ができ、 自分をより高いレベルに押し上げられるゲームを目指しています。たとえばコントローラのすべてのボタンに、異なる機能を割り振ったのもその1つ。操作を簡略化することで、ユーザーが思い通りのアクションができなくなるのを避けたかったんです。

――それは対戦プレーでも同じ?

鍋島:対戦プレーで自分の腕を磨きたいユーザーが、これまでは在住エリアによってはあきらめざるをえなかった。その問題を解決する答えがネットワーク対戦だったんですよ。 また、次世代ゲーム機で開発するにあたって、システムの根幹を根幹から作り直しました。ゲームシステムそのものに大きな手を加えたんです。シリーズとしてタイトルを重ねたことで、プレーヤーの手でシステムの盲点を突いたテクニックが数多く生まれてきました。そこで『アーマード・コア4』では、これらをあえて使えないようにしました。

――対戦型のゲームでは、そうしたテクニックを熟知した古参プレーヤーのほうが有利になりがちですよね。

鍋島:そうなんですよ。しかも、それらのテクニックは我々が想定していなかったものだったんです。また、シリーズを通して遊んできた人しか操れないテクニックが猛威を振るうと、新規ユーザーには敷居が高くなってしまう。うまい人と、そうでない人の差が著しくなってきていたんです。そういった長期シリーズ特有の問題点を解決するためにも、良い意味ですべてを一度リセットしました。「格好いい!」と思えるプレースタイルが、対戦の「強さ」に直結する。そんな図式にしたかったんです。

――改良は奏功し、4月末に行われた「アーマード・コア チャンピオンシップバトル2007全国大会決勝」には、『アーマード・コア4』で初めてシリーズに触れたユーザーもたくさん来場しました。

鍋島:ビジターも含め、従来とは違う層のユーザーが足を運んでくれました。しかもプレー歴が4カ月ほどにも関わらず、10年来のファンと互角に戦う方ユーザーは頼もしかったですよね。そういった新しいファンの姿を見ると、やっぱりうれしいです。従来からのファンと、新規ユーザーの両方に親しんでもらうことが、シリーズの発展と未来につながりますから。

昨年12月に発売した『アーマード・コア4』は、インターネット回線を利用したオンライン対戦プレーに対応。ネットワーク機能の充実を図った次世代ゲーム機ならではの遊び方を提示した

去る4月29日に行われた「アーマード・コア チャンピオンシップバトル2007全国大会決勝」には、日本全国から猛者が集結。死力を尽くして、最強の座を競い合った

NEXTネットワークによる『アーマード・コア』シリーズの未来とは