多様化するハードに合わせて、過去作品のリメイクや完全新作など数多くのソフトがリリースされている『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)。『FF』20周年委員会を担当するスクウェア・エニックスの橋本真司氏が、さまざまなハードで拡大する『FF』の現在を語る。


橋本真司(はしもと・しんじ)氏
株式会社スクウェア・エニックス コーポレート・エグゼクティブ。
1995年にスクウェア(現/スクウェア・エニックス)に入社。以後、『ファイナルファンタジー』シリーズをはじめ『キングダム ハーツ』シリーズなどのプロデュースを手がける。今回は『FF』20周年委員会を担当。各種企画やイベントなどを統括する。

――前回は携帯ゲーム機用の『FF』についてのお話でしたが、今回はそれ以外のハードでの現在の動きや海外戦略についてお聞きしたいと思います。まず最初に、モバイルについてはどうでしょうか?

橋本氏: 流れが一番早いカテゴリーなので、全部は伝えきれませんが、今発表している『FF アギト XIII』が、社内では一番大きなプロジェクトになっています。ただ、モバイルは半年に1回はハードのモデルチェンジがあるので、対応が大変なんですよ。どう見ても世界で一番進んでるのが日本なので。さらに世界的に見ると、日本向けだけに作ってしまうと、その後のコーディングが難しくなってしまう。ただ、日本のユーザーは目が肥えているので、おそらくフリーゲームなどと比べられたときに「このタイトルならでは」との魅力が感じられないものはどんどん淘汰されてくると思うんです。厳しいなと思いますよ。昔は着メロでよかったのが、いまは1曲フルで入ってなきゃだめとか。ゲームも同じで、今まで以上に売れるタイトルがはっきりするでしょうね。

――家庭用ゲーム機ではプレイステーション3で『FF XIII』が発表されていますが、WiiやXbox 360での『FF』の展開予定は?

橋本氏: Wiiでは『FF クリスタルクロニクル』を制作中です。ゲームキューブで発売した作品をWiiならではのシステムに変更します。これも、もうしばらくお待ちくださいとしか言えないんですけどね。Xbox 360の『FF』については、今はまったく白紙の状態です。

――『FF』ではゲーム以外に、映像作品として『FF VII アドベントチルドレン』も話題を集めました。

橋本氏: 『FF』の映像作品がビジネスとして成立するかどうかという意味で言うと、大成功でしたね。できれば劇場公開もしたかったんですけど。劇場公開すると、DVDとしてユーザーの皆さんへ発売するまでに時間がかかってしまうんですよ。アメリカだと劇場公開後にケーブル局での放送とかがあって、その後にようやくセルDVDになる。劇場公開なしなら、そうしたプロセスをカットできるので、作品が完成してからDVD化するまでの時間をかなり短縮できるんですね。そういう意味ではビジネスとして割り切った場合、今回の『アドベントチルドレン』は、各方面の皆さんの参考例になったようです。

――その『アドベントチルドレン』が、今度はブルーレイディスクで発売予定ですね。

橋本氏: 「コンプリートバージョン」としてブルーレイディスクでも発売を予定しています。ぜひブルーレイディスクのすごさをこの作品で実感してほしいですね。私も家で見ていると、もうテレビを変えるしかないなとか思ってしまう。それくらい映像の密度が高いですよ。プレイステーション3はやっぱりいいマシンですね。よくこのスペックでこの値段にできるなぁと。日本人の技術ってすごいなって思いますよ。

ケータイ『ビフォア クライシス −ファイナルファンタジーVII−』。『FF VII』をベースにしたコンピレーションタイトル第一弾。『VII』に至る6年間を描いた物語で、プレーヤーは神羅カンパニーの極秘任務を請け負うエリート社員「タークス」の一員となり、さまざまなミッションに挑む。『VII』に登場した人物が登場したり、本編では語り尽くされなかった多数のエピソードも楽しめる
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ブルーレイディスク『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン コンプリート』。2005年9月に発売され、ヴェネチア国際映画祭にも招待された映像作品『〜アドベントチルドレン』のコンプリート・バージョン。複数言語での収録や、よりリアルさを出すための新規映像追加、さらにシーンによっては時間経過を表すために「汚れ」や「風化」表現までも追加してある。
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