Windowsにトラブルはつきもの。Vistaになって改善したか。

 Windows Vistaが発売される2日前、「2ちゃんねる」の「ニュー速VIP版」にWindows操作中にありがちなトラブルを話題にした「windowsにありがちなこと」というスレッドがあったらしい。現在ではもうアクセスできないようだが、まとめサイト「イミフwwwうはwwwwおkwwww」の「windowsにありがちなこと」に要点がまとめてあり、ネットの世界でも共感を呼んで少し話題になった。Windows XP時代のトラブルや疑問集にもなっている。

 Vistaが発売された現在、以前のWindowsにありがちだった話はどうなっているだろうか。そう言えば、私は「日経クリック」という雑誌で創刊号から休刊決定号まで10年にわたってQ&A(質問と回答)コーナーを担当してきたのだった。よっしゃ、久しぶりに自分の分かる範囲で、Windows Vistaにもありがちかどうか、回答できるものに限定してしまうけど、できるだけ答えてみようか。なお、質問部分は分かりやすいように補った。

「スタート」メニューなのにシャットダウンする時しか使わない

Vistaのスタートボタン。カーソルをのせると「スタート」のツールチップが表示される

 Vistaでは「スタート」という文字は消えて、Windowsエナジーと呼ぶらしい丸いボタンになっている。カーソルを乗せると「スタート」というツールチップ(解説文字)が表示される。機能はXP時代と同じ。

 ところでXPでもVistaでもデスクトップをアクティブにした状態でAltキーを押しながらF4キーを押すと終了のためのダイアログが表示される。XPならそのまま「U」キーを押すとシャットダウンする。Vistaならそこで「K」キーを押すとスリープする。

エラー報告を誰もマイクロソフトに送信しない

 Windows XPでは、対処できないアプリケーションの障害が発生すると、その障害情報をマイクロソフトに送信するか問い合わせるダイアログが表示される。が、これで情報をマイクロソフトに送信してもメリットがあったという人はほとんどいないのではないか。

Vistaになってもエラーをマイクロソフトに送信するか聞いてくる機能がある

 Vistaでも同様の仕組みがあるが、最初にマイクロソフトのデータベースに解決策を問い合わせるようだ。私はもうVistaをけっこう使っているけど解決策が見つかったことはない。Vista時代もあまり改善の期待はできそうにない。

Vistaではエラーが発生した場合、自動的に解決策を探そうとする

「Alt」と「Ctrl」の読み方が分からない

 古くからのパソコン利用者なら、「Alt」は「オールト」、「Ctrl」は「コントロール」と読む。しかし、「Alt」については「アルト」と読む人が多いようだ。これは「Alternative」(オールタナティブ)の略語で日本語では「別の」という意味だ。キーの歴史からすると第2の「Shift」キーだと言ってもいいのだけど、Windowsではメニュー操作のショートカットと組み合わせて利用することが多い。例えば「Internet Explorer 7」を使っているなら、「Alt」キーを押しながら「A」キーを押すと「お気に入り」メニューが表示される。

 「Ctrl」キーは元来は50年以上も前の戦争映画とかに出てくるテレックスという通信機で制御信号をキーボードから送信するために使うものだった。この話を続けると1時間くらい続きそうだからこのあたりで省略。

マインスイーパで暇つぶし

 Vistaでは「マインスイーパ」のデザインが少し変わった

Vistaのマインスイーパはデザインが少しよくなった(?) Vista版では「地雷」を「花」に変更することもできる

エラーのときのディンッという音に常にびびる

 これはXPでもVistaでも、コントロールパネルの「サウンド」で入れ替えることができる。音声ファイルがあれば新規に指定することもできる。もう10年以上も前のことだが、こうしたエラー音にアニメ声優の声を使うのが流行ったことがある。

コントロールパネルの「サウンド」で警告などの音声を入れ替えることができる

なぜかアルファベットが大文字しか出なくなって焦る

 たいていの場合はCaps Lock(大文字ロック)の状態になっているため。一般的なキーボードでは、「Shift」キーを押しながら「Caps Lock」キーを押すと、英文字キー入力が大文字になる。Caps Lockの状態はキーボード右上のCaps Lockランプの点灯で分かる。同様にテンキーの「Num Lock」が点灯状態になってないとテンキーによる数字入力はできない。ついでに、Scroll Lockって何?

 と疑問に思うかもしれない、これは「Excel」などアプリケーションによっては使うことがあるが、ほとんど利用されていない昔のパソコン機能の名残だ。

間違ってCaps Lockを押しても気づかない

 これもCaps Lockのランプに注意しよう。パスワードを入力するとき、●●●●と表示されるがこのときCaps Lock状態になっていると英小文字を含んだ正しいパスワードが入力できなくて困ることがある。

「Shift」キーを押しながらCD入れると自動再生しない

 これは昔からある技だが、Vistaで試してみるとやはり動作選択のダイアログは表示される。

 CDを入れた時の動作設定は、コントロールパネルの「自動再生」で設定できる。

メディア挿入時の動作はコントロールパネルの「自動再生」で各種の設定ができる

タスクバーがうざい

 XPでもVistaでも、タスクバーは必要な時だけ、マウスカーソルを近づけて表示させる設定にすることができる。タスクバー上で右クリックし「プロパティ」を選んで表示される「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」で「タスクバーを自動的に隠す」をチェックする。

 なお、同じ右クリックメニューで「タスクバーを固定する」のチェックを外すと、タスクバーは上下左右にドラッグ&ドロップで移動可能になる。

「タスクバーを自動的に隠す」をチェックすると必要な時だけタスクバーが表示される

「ファイル名を指定して実行」のコマンドが見つからない

 Vistaでは、「ファイル名を指定して実行」がスタートメニューから消えて「アクセサリ」フォルダの中に移動した。よく利用する人は最初戸惑うだろう。

 「ファイル名を指定して実行」は「レジストリエディタ」の愛好家には必須の操作。ここで「regedit」と入力すると「レジストリエディタ」が起動する。ほかによく利用するのは「sendto」と入力して、デスクトップのコンテキストメニューの「送る」フォルダを開くことだが、Vistaではセキュリティの設定によってここは開かない。

 Vistaでは「送る」フォルダは各ユーザーのフォルダの以下の階層にあるのでたどっていくといい。

\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\SendTo

ちょっと変なとこ押して急にかな入力になっちゃって焦る

 これもけっこうありがち。簡単な解決方法はないので、入力切り替えの設定やり直しの操作を覚えておくしかない。

コントロールパネルを早々にクラッシック表示に切り替える

 これはVistaも同じ。初期設定のままではとても使いづらい。

最近使ったファイルで前日に閲覧していた画像がばれる

 Vistaではこの項目の上で右クリックしメニューから「最近使った項目の一覧のクリア」を選ぶといい。

最近使ったファイルのリストは簡単に消去できる

IE7になってから強制終了がやたらと多い

 これは原因が多様。一般的に多いとまでは言えない。経験的にはメモリーの不足があるだろう。

Windows タスク マネージャ (応答なし)

 Vistaになってもこの問題は解決しない。ただし、一旦応答なしになってもしばらくすると応答が帰ってきて復活することがある。

タスク マネージャ (応答なし)はVistaでも同様。ちなみに「Adobe Reader」はVistaでは最新版を使わないとエラーが多発する

初めてスパイウエア検索するとその多さにひく

 大半はトラッキング・クッキーと呼ばれているもので、ブラウザー閲覧状況を監視しているクッキーという仕組みを指している。これらのクッキーはそれほど悪さをしない。それ以外のスパイウエアはきちんと除去したほうがいい。

新しいバージョンが出るたびに重いと文句を言われる

 全くそのとおりでいい解決策がない。

「Shift」キーを5回連続押してびっくりする

 この操作は元来、障害者が「Shift」キーの操作を手順に分けて行えるように工夫された「固定キー」の機能を呼び出すためのもの。通常は利用しない。しかし、知らないで偶然Shiftキーを連打すると奇妙な音声とともにダイアログが出現して驚く。

 同じような操作にキーボード右側の「Shift」キーを8秒間押し続けるというのがある。

「Shift」キーを5回連打して「固定キー」指定のダイアログが表示されたら、通常、「いいえ」ボタンを押して閉じる

 以上、Vista時代のWindowsにありがちな話をQ&A形式でまとめてみた。Vistaになってからといって特に大きな変化はない。1つだけあるとすれば、複数のアプリケーションを利用している時、「Windows」キーを押しながら「Tab」キーを押すことで、「Flip 3D」を多用するようになった。これはちょっと癖になるかも。

「Flip 3D」ではアプリケーションのウインドウを立体的に入れ替えて選択できる

筆者紹介 佐藤 信正(さとう・のぶまさ)
テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。小学生のときにアマチュア無線技士を免許をとり、無線機からワンボード・マイコンへ興味を移す。また初代アスキーネットからのネットワーカー。通信機器や半導体設計分野のテクニカルライターからパソコン分野へ。休刊中の「日経クリック」で10年間Q&Aも担当していた。著書「Ajax実用テクニック」「JScriptハンドブック」「ブラウザのしくみ」など。

著者

佐藤 信正(さとう のぶまさ)

テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。小学生のときにアマチュア無線技士を免許をとり、無線機からワンボード・マイコンへ興味を移す。また初代アスキーネットからのネットワーカー。通信機器や半導体設計分野のテクニカルライターからパソコン分野へ。休刊中の「日経クリック」で10年間Q&Aも担当していた。著書「Ajax実用テクニック」「JScriptハンドブック」「ブラウザのしくみ」など。