オーディオ・ビジュアル機器のトレンド、動向などについてAV評論家・小原由夫氏が掘り下げていくこのコラムだが、今回は番外編。2006年11月11日に発売された“次世代ゲーム機”ソニー・コンピュータエンタテインメント「プレイステーション3」(PS3)では、Blu-ray DiscやスーパーオーディオCDの再生機能なども注目されているが、今回はPS3のゲーム機能に関する、小原氏のインプレッションをお届けしよう。
日常的にテレビゲームをする習慣がない自分にとって、これは何年ぶりのゲーム体験だろうか(記憶をたどっても思い出せないほどの長いブランクだ)。そして、現代最新のテレビゲームがここまで著しい進化を遂げていたことに驚嘆した。
ましてや、200インチという前代未聞(手前ミソだが)の体験である。そこまで大きく画面を引き伸ばしても、全くそん色なくプレイできたPS3と、その対応ソフトのクオリティーの高さに、まずは驚いた次第である。もちろんフルHDならではの高精細さと、ディスクリート(完全分離)5.1ch化による サラウンドの威力が図り知れない。だが、やはりゲームとしての完成度が高くなければ、ここまでの面白さは感じなかっただろう。
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| ▲ 小原氏の自宅兼仕事場のAVルームにある200インチスクリーンにPS3の画面を映し出したところ(画面は「RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜」 【画像をクリックすると拡大表示されます】 |
「リッジレーサー7」では、映し出されたスタート前のデモンストレーション映像に絶句した。素晴らしいリアリティー! ドライブするマシンをチョイスする時点で、そのペイントのディテールや色合いの鮮やかさに感心した。実写映像とCGとの合成による部分も多いと想像するが、ホンモノさながらである。
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| ▲ AVルームで初めてPS3のゲーム(リッジレーサー7)を体験する小原氏。5.1chサラウンドも小原氏が座っている位置にセッティングされている。200インチスクリーンも含めて、これ以上のゲーム環境はそうそう望めるものではないだろう 【画像をクリックすると拡大表示されます】 |
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初エントリーの着順は、14台中11位。ガードレールに車体をぶつけ、何度もスピンをしたのだから、まあ仕方のない順位なのかもしれない。ラップタイムが周回を重ねる毎に速くなっていったのがせめてもの救いである。
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▲ レースのリプレー画面。サーキットの真上で見ているような臨場感が得られる 【画像をクリックすると拡大表示されます】 |
ドライビング中に感じたのは、フロントウインドウ越しに猛スピードで流れる景色が“等身大”に極めて近いということ。つまり、限りなく実車を運転している感覚に等しい。握る対象こそ、ステアリングではなく、小さなワイヤレスコントローラーだが、ドライブフィーリングはまさに“疾走”で、画面のアングルを車内から見た状態にすると(車体が映らない映像)、200インチという画面サイズも相まって、リアルなドライビングなのである。
同様のことは「RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜」にも当てはまる。画面が大きいことの恩恵だろう、画面の端の方の微かな動きがリアルに察知できる。20インチ程度の画面サイズならば見落としてしまうか、ここまで鮮明に認識できないに違いない。また、味方も敵もサイズがリアルに実感できることもあって、背後から聞こえる物音や効果音に、体が敏感に反応してしまう。精巧な5.1chサラウンドならではの臨場感と生々しさといってよい。
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| ▲ 「RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜」のプレイ画面 【画像をクリックすると拡大表示されます】 |
▲ 敵からの攻撃を受けて血しぶきを上げているところ。後ろに着弾する音や敵の近づく音などが5.1chサラウンドで生々しく聞こえる 【画像をクリックすると拡大表示されます】 |
レジスタンスは、さながらポール・ヴァーホーヴェン監督のカルト作「スターシップ・トゥルーパーズ」のような雰囲気もあるし、先頃HD DVDで観賞した映画「DOOM(ドゥーム)」を彷彿(ほうふつ)とさせる展開もあった。アングルの切替えによっては、まさに自分も戦場で戦っているような緊張感が味わえる。ステージをさらに上げていくことで、もっとリアルでもっと怖いシークエンスに入っていくのだろうが、どんどん身ぶるいしそうなゲームである。
私は、このPS3をBD-ROMを観るための純粋なAV再生機として使用するつもりでいたが、どうやらゲーム機として使用する頻度も増えそうだ。
| 筆者紹介 小原
由夫 おばら・よしお オーディオ&ビジュアル評論家。理工系大学卒業後、測定器エンジニア、AV専門誌の編集者を経て現在に至る。ハードからソフトまでの幅広い知識とそれに基づく評論、解説が支持を得ている。現在「nikkeibp.jp セカンドステージ」にて、「DVD 見方・聴き方・楽しみ方」や「AV評論家のマイホーム建築顛末記/インターネットで建築家と出会った! 家を建てた!」を好評連載中。 |

















