パソコンを買い換えるにあたって、以下の2点を条件とした。

(1)	旧パソコンの液晶ディスプレイを使う。
(2)	旧パソコンの親指シフト専用キーボードを使う。

 つまり、本体のみを新しくするという方針を立てた。旧パソコンのメーカーが富士通なので(なにしろ、親指シフトですから)、富士通WEBマーケットに相談をした。ひとつ前の型から探しだすことになるので、在庫を在庫を調べてみるという。
 その結果、(1)は不可能(液晶ディスプレイが古く、XPに対応していないため)、(2)のみ可能。ただし、1機種しかない。

 (2)について説明しておかなければならないかもしれない。
 ぼくは1980年代の半ばに富士通のワープロを使いはじめた。当時、ワープロ検定で上位入賞者が使っていたのが富士通の親指シフトというワープロだった。
 日本語入力に関して、これは現在でも最も優秀なキーボードだと言っていいだろう。これに慣れているので、ぼくはJISキーボードが使えない。
 JISキーボードを親指シフト化するソフトもあるのだが、やはり専用キーボードの操作性にはかなわない。専用キーボードを使うことは必須条件だった(これがぼくのパソコンライフのネックになっているのだが)。

 選択の余地はなかったが、富士通WEBマーケットが選びだした機種で別に不都合はなかった。機能に関しては格段によくなっているから申し分ないし(むしろ、不必要な機能がやたら増えている)、価格も以前に比べると相対的に低くなっている。

 電話でのサポートサービス(10回まで無料、それ以後は有料)も付くので、富士通WEBマーケットから購入した。
 とても親切で、ぼくのようなパソコン音痴に対して、わかりやすく懇切丁寧に説明をしてくれたことを特に記しておきたい。

 旧パソコンと新パソコンをつなぐことができなかったので、データ移行に時間がかかったり、親指シフトの設定が自分ではうまくいかなかったりしたが、少しずつ通常に使える環境になっていった。その際、やはり電話によるサポートサービスが大いに役立った(なかなかつながらないという難点はあるが)。

 そんなこんなで新しいパソコンライフが始まった。Bフレッツの速さには感心しているものの、XPになって特に便利になったという印象はない。
 これまで使っていたエプソンのプリンタはドライバーをダウンロードしてXP用にバージョンアップしたが、キヤノンのスキャナはまだうまくバージョンアップができない。そのうち何とかなるだろう。

 実はipod shuffleをいただいたのは「XP導入おめでとう」というお祝いだったのである(あえて名前は秘すが、重ねてありがとう!)。

(つづく)

新旧キーボード。手前の親指シフト・キーボードにも新しい型がでているのだが、ゴミを出したくないので、使えるうちは使いつづけるつもりだ。重量がかなり違う(もちろん、新しいほうが軽い)。OASYSはWindows98との整合性が今ひとつで、二カ月に一度くらいのペースで、ttcacheというファイルを削除する作業をしなければならなかった。OASYS2002とXPとの整合性にも問題があり(古いキーボードだけに限られているが)、何かと支障をきたしているのだが、サポートセンターも「そのままお使いいただくしかありません」とお手上げの状態だ。それにしても、親指シフトキーボードに未来はないのだろうか。ボルボがシートベルトを開発した際、「クルマの安全性向上のために」と特許を開放したと聞いたことがある(ボルボの旧シンボルマークだった対角線はシートベルトを象徴していたそうだ)。富士通も早い時期にそれをみならっていれば……。なお、好奇心旺盛な家族が写っていますが、見ないふりをしてください。

筆者紹介 斎藤 純(さいとう・じゅん)
 作家。1957年岩手県生まれ。立正大学文学部卒。大学卒業後、コピーライターの傍ら、出版社に投稿を続け、84年『辛口のカクテルを』で北の文学最優秀賞を受賞。88年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。91年小説家として独立、94年『ル・ジタン』で日本推理作家協会賞。2005年『銀輪の覇者』が「このミステリーがすごい 05年版」でベスト5に選出された。主な著書に『オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。』『モナリザの微笑』などがある。
 毎月出かけるいろいろなコンサートや展覧会での感動体験を綴ったエッセイが岩手めんこいテレビ公式サイト「目と耳のライディング」で好評連載中。また、斎藤純さんご自身のブログも随時更新中です。