もうあちこちで言われていることだが、Windows Vistaは“メモリー喰い”だ。Windows Aeroを使わなければ512MBで何とかならないこともないが最低1GB、できれば2GBは搭載したい。
しかし、世の中にはそんなにメモリーを増設できないパソコンもある。メモリー増設スロットがなかったり、すでに埋まってしまっているものだ。そんなパソコンに有効なのが、外付けフラッシュメモリー(USBフラッシュメモリー、SDメモリーカード、CFカードなど)をメインメモリーの代わりに利用する「Windows ReadyBoost」(以下、ReadyBoost)である。
ReadyBoostについては以前書いたが、フラッシュメモリーの性能によっては、使えなかったり、使えても効果がイマイチだったりする(ReadyBoostが利用可能なデータ転送速度について、マイクロソフトは公表していない)。そこで今回は実際にフラッシュメモリーを用意して、どれだけ効果があるのか試してみた。用意したのは以下のもの。
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| ▲ アイ・オー・データ機器のSDメモリーカード「SDP-2G」(実売価格9880円)。容量は2GB。Read時のデータ転送速度が20MB/s超という高速なSDメモリーカード | ▲ アイ・オー・データ機器のUSBフラッシュメモリー「TB-BH1G/B」(実売価格5980円)。データ転送速度の速さが特徴の新製品で、同社WebサイトにはWindows ReadyBoost対応の記載もある。容量と色は各種あるが、今回は1GBモデルを使用 |
その他に比較用に、A社製のUSBフラッシュメモリー(容量512MB、Read時のデータ転送速度が約8MB/sと表記されていた)、B社製のSDメモリーカード(容量1GB、秋葉原で約2000円で購入したもの)、C社製のSDメモリーカード(容量1GB、某大手国内メーカーの製品)を用意した。
SDメモリーカードについては、テストしたパソコンにSDメモリーカードスロットがなかったため、カードリーダーを経由して試した。実はこのカードリーダーも2種類テストしてみたが(どちらもUSB2.0対応の製品)、片方のカードリーダーでReadyBoostを利用できたSDメモリーカードでも、別のカードリーダーでは利用できないことがあった。カードリーダーの性能によってもReadyBoostが使えないことがあるようだ。
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| ▲ SDメモリーカードは、このようにカードリーダーを介してテストした。カードリーダーとSDメモリーカードの性能が十分なら、これでもReadyBoostが使える。もちろんパソコン内蔵のSDメモリーカードスロットでもOK |
| ■まずは接続して容量を割り当てる |
早速テストしてみよう。フラッシュメモリー類を接続すると、まず下の画面が表示される。今回は、Vistaが推奨する初期状態の割り当て量のまま、ReadyBoostを利用してみた。
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| ▲ 接続するとこの画面が表示される。ここで「システムの高速化-Windows ReadyBoost使用」を選ぶ |
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| ▲ データ転送速度が遅くてReadyBoostが使えない場合は、このようなメッセージが表示される。A社製USBフラッシュメモリー、B、C社製SDメモリーカードはすべてここでアウトとなった | ▲ ReadyBoostを使うには、フラッシュメモリー内に約235MB以上の空き容量が必要。容量不足でReadyBoostが使えない場合も、このように無情なメッセージが表示される |
A社製USBフラッシュメモリー、B、C社製SDメモリーカードではReadyBoostを利用できなかった。約1年前に購入した某大手国内メーカーのC社製SDメモリーカードがアウトだったのは驚きの半面、残念だった。
ちなみに、どれほどの効果があるのか、ベンチマークソフトの「HDBENCH」(EP82改/かず氏作)を使って測ってみた。CPUやHDD、画面描写を測るソフトで、ここではメモリー性能の値を見る。結果が下の表で、B、C社のSDメモリーカードとSDP-2GではWrite値に大きな差が出た。一概には言えないが、この数値が大きければ大きいほど、ReadyBoostで大きな効果があるようだ。
| Read | Write | Copy | |
| アイ・オー・データ機器 USBフラッシュメモリー TB-BH1G/B (ReadyBoost利用可能、効果大) |
29628 | 13613 | 4370 |
| アイ・オー・データ機器 SDメモリーカード SDP-2G (ReadyBoost利用可能、効果はまずまず) |
9726 | 8265 | 1292 |
| B社製 SDメモリーカード (ReadyBoost利用不可) |
8890 | 4794 | 2024 |
| C社製 SDメモリーカード (ReadyBoost利用不可) |
7629 | 5058 | 1600 |
| ■なるべく新しいフラッシュメモリーを |
実際にReadyBoostを利用してみての体感速度は、次のような感じだった。
・アイ・オー・データ機器 SDメモリーカード 「SDP-2G」
取り付け前に比べてソフトの起動が速くなった。また複数ウィンドウを開いている時に、それらの切り替えが速くなり、待たされる時間が短くなった。ただし、全体的にそれほど速くなったような感じはしない。
・アイ・オー・データ機器 USBフラッシュメモリー 「TB-BH1G/B」
SDP-2Gと基本的に同じような体感速度の向上が感じられたが、こちらの方が全体的に速度の向上がハッキリと感じられ、効果は大きかった。
TB-BH1G/BよりSDP-2Gの方がメモリー容量が多く、数値的には速度の向上が体感できると予想していたため、意外な結果と言える。もしかすると、カードリーダー経由と直挿しによる差が出たのかもしれない。とはいえReadyBoostが体感速度の向上に有効なのは確かだ。
効果が大きかったTB-BH1G/Bは11月発売の新製品で、Vista対応をパッケージに明記している。ReadyBoostを使うことを考えてフラッシュメモリー製品を選ぶ時は、こうしたVista対応を明記した高速な製品を選ぶ方がいいだろう。
ただしTB-BH1G/Bを取り付けた時も、さすがにメインメモリーを増設した時のような劇的な体感速度の向上はなかった。ReadyBoostは、あくまでもメインメモリーを増設できない場合の補助的な手段と考えよう。
ちなみにReadyBoostのメリットは体感速度の向上だけではない。ReadyBoostによってHDDへのアクセスが減ればHDDの騒音や発熱の低減につながり、HDDの寿命延長にもつながる。もちろんフラッシュメモリーにも読み書きによる寿命はあるが、最近はフラッシュメモリーの値段もかなり安くなっているので、ダメになったら交換する、ぐらいの感覚で使えばいいだろう。
| 筆者紹介 湯浅 英夫(ゆあさ・ひでお) |
| ラフマニノフを聴きロイヤルミルクティーを飲みながら優雅に仕事をこなすエグゼクティブナイスガイ。取材、編集、執筆、撮影、演奏、運転手、アニメ鑑賞と犯罪以外何でもこなし、自作PCから地デジ関係、携帯プレーヤー、OSやソフトの解説まで幅広くこなし、Webや雑誌を中心に活動中。松坂選手すごいですね。俺2000人分かよ。 |
























