音楽好きと投資好き(?)、両方の気分を盛り上げてくれる「ミュージックファンド」をご存じだろうか。

 「ミュージックファンド」とは、アーティストが「これから作るCD」に投資する仕組みのこと。一口1万円前後という、比較的手ごろな金額で誰でも参加できるのが特徴だ。アーティストは投資家から集まった資金を元手にCDを製作し、そのCDの売り上げによって投資家に配当金を分配する。もちろん、CDが売れて多くのリターンを得るというのは出資の大きな目的だが、配当金以外にも特製DVDや特別ライブへの招待などさまざまな特典を受けられるというのも、注目すべきポイントだろう。

 ミュージックファンドで投資したアーティストがブレイクすれば、「わたし、○○が有名になる前から応援しててさー」なんて自慢できてしまうかも。なんとも夢のある話ではないか……というわけで、ライツバンク著作権部ファンドマネジメント ディレクターの三宅芳夫氏に、「ミュージックファンド」について聞いてみた。

「ミュージックファンド」を運営するライツバンク著作権部の三宅芳夫ファンドマネジメントディレクター


もっと新人にデビューの機会を与えたい!

――「ミュージックファンド」ができた経緯を教えてください。

三宅芳夫ディレクター:ご存じのように、現在はCDの売り上げが減少しているので、新人アーティストをデビューさせ、さらにヒットを飛ばすというのが難しい状況になっています。レコード会社としても、あまり知られていない新人をじっくり育てるより、既に売れているアーティストの方が売り上げを予測しやすいので、新人のデビュー機会が減ってきているんです。

 それでも、少ない予算の中で自分たちの音楽を世の中に広めていきたいという熱意を持ったアーティストとレーベルのために、「ミュージックファンド」という仕組みを作りました。

――ファンドにおけるライツバンクの役割はどういったものですか?

三宅氏:出資の募集から損益の分配までを、レーベルに代わって行います。契約するのはアーティスト個人ではなく、レーベルやレコード会社になります。作品を聞いて「売れる」とか「売れない」といった判断はこちらではしません。あくまでアーティスト側と投資家側の間で、中立的な立場を心がけています。

 作品の判断はしませんが、レーベルには集めたお金の使い道の予定を記した試算表を出してもらいます。その際に、「スタジオ代はこんなにかかりませんよ」とか、「プロモーション費はこのくらいでは」というようなコンサルティング的な仕事をさせていただくこともあります。やはりファンドを管理する立場なので、そうした費用などに関するノウハウの蓄積が、当社にはあるんですよ。

 また、ミュージックファンドを利用してもらうにあたって、レーベルからCDの原盤権を一時的に預かり(一年間限定の譲渡担保)、保険にしています。投資家のお金を守るために、いわば“質入れ”してもらうわけです。

ファンド側では音楽の「売れる」「売れない」といったことは評価しない。ファンドで集めた資金の使い道を精査し、きちんとファンドを回していくのが仕事(※上記の図は募集総額200万円、一口の出資額を1万円とした例。実際の募集総額と一口の金額は、レーベルとミュージックファンド側の話し合いによって決定される)

 ミュージックファンドが出資の募集から損益の分配までを代行することで、アーティスト(レーベル)は音楽原盤の制作に専念できる。一方投資家にとっては、ミュージックファンドが中立的な立場でCDの制作・販売状況を監督していることによって、適正な損益の分配が確保される、というのがポイントですね。

NEXTファンド公募の流れはこうなっている