ショップのデスクトップパソコン売り場で一際目を引いているのが37型ワイド液晶を搭載する富士通の「FMV DESKPOWER TX95S/D」だ。地上・BS・110°CSデジタルチューナーはもちろん、最新のブルーレイディスクドライブまで搭載している。これにより600GBのHDDに録画したハイビジョン番組を、そのままの画質でブルーレイディスクに保存できる。言わばAV機器とパソコンの未来を先取りした豪華なパソコンだ。

 この最新技術の粋を凝らしたパソコンはいったいどうやって作られているのだろうか? そんな素朴な疑問を解消するため、「地デジARENA」ではFMV DESKPOWER TX95S/Dを製造している兵庫県加東市の「富士通周辺機・本社工場」を訪れた。普段あまり見ることのできない、最新パソコンの組み立て工場の様子を、とくとご覧いただこう!

富士通周辺機の本社工場は、JR加古川線の社町駅の近くにある。ドーム状の休憩室が隣接する駅はとてもユニークだ

FMV DESKPOWER TX95S/Dを生産する富士通周辺機の本社工場は全社で792人が働いている。すべての富士通製ディスプレイと大型テレビ一体型パソコンの生産を一手に引き受けている


まるでスポーツカーをくみ上げる“ファクトリー”のよう

 生産ラインと聞いて、筆者はベルトコンベアーによる大規模な組み立て工場を想像していた。しかしFMV DESKPOWER TXシリーズを製造しているラインは、本体を台車に載せ、行程ごとに組み立て作業を行う、とても丁寧かつ繊細なものだった。その雰囲気は整然とした中に適度な緊張が走り、まるでスポーツカーを組み上げる“ファクトリー”のよう。

 話を伺った富士通周辺機・第一事業部製造部長代理の藤原敏英氏によると、「TXシリーズは量販店向けに製造する製品のほかに、ネットなどのオーダーを受けてから生産しており、その場合はオーダーに合わせてパーツを組み上げています。その場合はオーダーに合わせてパーツを組み上げています」とのこと。藤原氏によると、同社本社工場は大量品から少量多品種に至るまで、製造に対するノウハウが豊富で、TXシリーズのように細かな仕様変更が必要な製品でも的確に対応できるのが強みだと言う。

富士通周辺機・開発統括部第三開発部プロジェクト課長の多鹿隆寿氏は「FMV DESKPOWER TX95S/Dは美しい薄型テレビとして、またハイエンドパソコンとしても使えるFMV-DESKPOWERシリーズのフラッグシップモデルです。次世代DVDのブルーレイディスクドライブも搭載していますし、末永く使いたいならオススメしたい一台です」と話す

工場全体のレイアウトは「U字」型になっており、ひと工程ずつ丁寧に組み上げられてゆく。工場ではTPS(トヨタプロダクションシステム)生産方式を駆使して、ラインサイドのストアからジャストインタイムでパーツをそろえ、徹底した1台流しにより、ムダなく、高品質とリードタイム短縮を追求していた

工場というのでベルトコンベアーを使った大々的なものを想像していたが、パーツセット付台車を使った1個作りを整然とした作業環境で実施していた 同社第一事業部製造部長代理 兼 第一製造課長の藤原敏英氏。「液晶ディスプレイを生産してきたノウハウを注ぎ込んでTXシリーズを生産しています」

オーダーに合わせてパーツをそろえ、間違いなく組み立て担当者にパーツが行き渡るように工夫している

生産ラインのすぐ横に倉庫エリアがあり、細かなオーダーに合わせて必要な部品がすぐにそろえられるようになっている

重要部品はバーコードで番号を読み取って記録を残したり、キズが付かないように専用カバーで保護している

ケーブルは間違えないように表示されて作業者へ届く

これがFMV DESKPOWER TX95S/Dに搭載されるシャープ製の「フルスペックハイビジョンパネル」だ。シャープ亀山工場から送られてきた段ボールの中には、5枚のハイビジョンパネルが収められていた

次にメインとなるフレームへ液晶パネルを取り付ける。デリケートな液晶パネルに傷を付けないよう細心の注意が払われる。作業工程の中でも最も気を使う行程だとか

NEXTラインはすべて秒単位で管理、遅れが生じると……