前回は「集合住宅での地デジアンテナ設置」の“違法性”について考えてみた。関係するであろう機関へ問い合わせをした結果、下記のことが分かった。

●集合住宅での「ベランダ」は「準共有部」に相当するので、管理組合などへの確認が必要。
●避難経路をふさがない場所に設置しなければならない。

 筆者が調べたところ、これら以外にベランダなどへのアンテナ設置に絡む問題はないように思われる。地デジアンテナをベランダに取り付けるには、衛星放送(BSアナログ)用の金具を使用する。そもそも、衛星放送(BSアナログ)の放送開始が1989年。ベランダ取り付け金具が世の中に登場して20年以上は経過しているので、仮に設置自体が違法ならこの手の商品は販売されてはいないだろう。念のためアンテナメーカーにも問い合わせてみたところ、「我々もそうしたことは調べていますし、もし違法ならとっくに販売中止になっていますよ」と言われた。

 ただしマンションなどの管理組合によっては、景観や安全上の問題から、ベランダより外側にアンテナ等を設置してはいけない、という規定を設けているケースも想定できる。

 このような場合の解決策は2つある。まず電波が強い強電界エリアなら、屋内型の地デジアンテナを使用すればいい。最も手軽な方法だが、放送塔を目視できるような場所でないと安定した受信は難しい。

 もう一つの方法はベランダの内側にアンテナを設置する方法だ。例えばキャッチャー製の「ベランダ取付突っ張りポール PAX-NB」を使うことで、ベランダの内側にアンテナを設置できる。ただ残念ながらこの方法は、ベランダの向きが放送塔の方向に向いている場合にしか利用できない。また管理組合によってはベランダの内側でも設置を禁止している場合があるので、購入前に確認しておきたい。

バネによる“突っ張り"を利用したアンテナ取り付け金具。緊急時に人が通れるスペースを残しておけば設置できる。写真はBSアンテナが付いているが、各種地デジアンテナの設置にも対応する。価格は1万7000円前後。PAX-NBは、ベランダやバルコニーよりも、外側にアンテナを出さずに地デジを受信するにはもってこいの金具だ

 ベランダがある方角に放送塔があるとは限らないので、ベランダにアンテナを設置しても受信できない場合もあるだう。現在、地上デジタル放送の普及により、集合住宅のアンテナ切替え工事も急ピッチで進みつつあるようだ。もしかするとベランダ設置で悩んでいる間に、住んでいる集合住宅で地デジアンテナの設置が協議されているかもしれない。地デジアンテナの設置を思い立ったら、まず管理組合、自治会などに相談するといいだろう。

 また、個人で地デジアンテナを設置する場合は、機器や工具の落下に注意し、作業者自身も落下しないよう、細心の注意を払って作業をしていただきたい。受信に関して不安がある場合は以前お伝えしたように電気店、量販店等に相談することをオススメする。

(鈴木 桂水)