集合住宅での地デジアンテナ設置について考えている「知識ゼロからの『地デジ生活』」だが、今回はちょっとお堅い話をしてみよう。
そもそも集合住宅のベランダにアンテナを設置することに問題はないのか?――ここがちょっと気になってしまった。そこで関係する省庁へ質問してみた。
![]() |
![]()
| ■まずは総務省に質問「ベランダにアンテナを設置しても大丈夫?」 |
まず総務省で「地上デジタルテレビジョン放送中継局ロードマップ」などを公表している総務省情報通信政策局地上放送課に聞いてみた。担当の方によると、「総務省で管轄する法律には、共同住宅でのアンテナ設置に関連する法律は無い」とのこと。ここでは大丈夫なようだ。
次に防災などの観点から見た場合について、総務省消防庁予防課に伺った。
消防法では、ベランダなど集合住宅の「準共用部」は火災や災害時の避難経路になっている。そのため「避難経路をふさぐような設置物に対しては違法となる場合もあるが、避難路を確保した上でのアンテナの設置は問題ない」とのことだった。
集合住宅では、ベランダにある左右の住宅を仕切る壁が、簡単に壊せるようになっていている。これは火災など、いざというときにそれをぶち破り、ベランダを避難経路として使うためだ。確かに生命にかかわることだけに、ここをふさぐようにアンテナを設置すれば、違法になることは十分考えられる。
そのほかベランダの一面に大量のアンテナを設置してハシゴ車での救助に支障が出るような場合も問題はあるだろう。ただし消防法では、アンテナのベランダ設置についての明確な決まりはなかった。
![]()
| ■マンションと言えばやはり国土交通省に聞いてみないと…… |
建築物としてはどうなのか? そこで国土交通省マンション政策室に地デジアンテナのベランダ設置について聞いてみた。
担当者の方によると「問題があるとすれば『建物の区分所有等に関する法律(通称「区分所有法」)』に関連する部分ではないか」と話してくれた。区分所有法では、「ベランダ、バルコニーは共有部分に造作を加える場合は、共有者による合議(集合住宅の場合は住人による管理組合による承諾)が必要になる」とのこと。
デザイン性を重視したマンションの場合は、ベランダにアンテナを付けることで外からの景観が損なわれ、ともすると建物自体の価値を落とすことになる場合がある。これについて個々の住居でのアンテナ設置を認めるか、そうでないかは、マンションを所有する住人間で決まり事を作り、それに沿って検討しなければならない。
しかし、これもマンションの管理組合や自治会で承認が降りれば、アンテナ設置は可能になる。もちろん、何かの法律の問われるということでもない。
念のため建築基準法ではどうか。国土交通省住宅局建築指導課の方に伺ってみた。
その見解は、「個人でベランダに設置するアンテナは、そもそも『建築物』ではないので、建築基準法には当てはまらない」というものだ。ただし消防庁と同じく、ベランダが避難経路になっていて、さらにそこをふさぐような場合は、建築基準法にも関係する場合があるとのこと。
しかし、これはむしろ戸建てにあてはまるだろうが、屋上に長さ4mを超えるようなアンテナを設置するような場合は、建築基準法の範囲になる。もちろん、個人でそんな大型の地デジアンテナを屋上に建てる人はいないだろうし、そんな巨大な地デジアンテナは個人用では販売されていないのでまず考えなくてもいいだろう。
最後にマンションを販売業者としての決まりは何かあるのだろうか。ライオンズマンションを販売する大京に話を伺った。広報部の方によると「分譲マンションの場合は購入者に引き渡した後、管理組合による合議が得られれば、ベランダにアンテナを設置することは可能」とのことだった。
今回の取材から判断して、集合住宅のベランダに地デジアンテナを設置しても、特に“違法”ということはなさそうだ。ただ、以下の2点に注意しなければならないことが分かった。
●集合住宅での「ベランダ」は「準共有部」に相当するので、管理組合などへの確認が必要。
●避難経路をふさがない場所に設置しなければならない。
次回はこの2点をクリアした上で、集合住宅用のアンテナ設置方法を考えてみる。












