日本で掃除機を買うときに大切な要素はなんでしょう? 吸引力が強いこと、静かなこと、排気の空気がきれいなこと(アレルギーの原因となるダニや花粉を遮断)、小回りが利くこと、収納も楽なように軽くて小さいこと、そしてもっと細かいことを言えば抗菌加工がしてあったり、お手入れも簡単であること……。もちろん個人個人のニーズによっては、もっと意見が出てくるかもしれませんね。
さてここでアメリカの掃除機代表、ウォール家のマシンに登場してもらいましょう。
こちらで見かける一般的なモノは、日本式のキャニスター式ではなく、アップライト式。ウォール家の一品ももちろんこの型です。これのハンドルを持ち、本体を傾けるようにして前後にシフトさせつつ掃除するワケですが、7〜8kgもあるマシンなので、結構力がいるのです。
さらに平面の掃除ならまだなんとかなりますが、これが段差のある階段などでは、いちいち掃除機を持ち上げて移動させなければなりません。翌日筋肉痛なんてことも珍しくないのです。
さてスイッチを入れます。うるさいです(笑)。周りの音は全く聞こえなくなってしまいますし、隣でテレビを観ているダンナは、騒音が迷惑そうにこちらに顔を向けます(働いているのはワタクシなんですが……。へーんだ、ざまあみろ)。そしらぬ顔で掃除を始めますが、ヘッド部分が日本の製品に比べて大きく、高さも結構あるので家具の下などに滑り込ませることができず、壁際の隅にもピッタリとフィットせずゴミが残ってしまいます。なんだか四角い部屋を丸く掃除しているような感覚。
そして吸い口に手を持っていくと、その大きなボディーからは想像もできないほど吸引力が弱いのに驚きます。……この仕様の悪さ、日本の消費者だったらこの時点でかなり怒り狂ってるんじゃないでしょうか。
ところがアメリカ人は文句を言わない。キャニスター式なら段差掃除も楽なのに、そして確かに売られてもいるのに、人気のあるモデルはやはりアップライト式なのです。なぜだ?
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| ▲ 日本でもお馴染み、ゴミ袋不要サイクロン式掃除機。こちらのブランド「ダイソン」のアップライトモデルは高さ1m15cmほど、重さ7kg弱。値段はアメリカでも高価な方で、大体4万〜6万円 | ▲ こちらがキャニスター式掃除機の一例。やはり日本の製品に比べるとヘッド部分が余計な大きさですよね(笑) |
米国式ライフスタイルと掃除機のスペックをつぶさに観察してみると、多少なりとも判ったことが。まず、アメリカの家は日本に比べてスペースに余裕がある(特に郊外)。なので別に家電の大きさが巨大でも収納に困らない(笑)。同様に少しぐらいうるさくても、家々のスペースが離れていれば近所迷惑にもなりません。もちろんこれにはアメリカ人の大らかさ(というか人の迷惑をあんまり考えない)国民性がからんでもいるでしょうが……。
さらに日本の掃除機はゴミを取り去る力をほとんど吸引に頼っていますが、アメリカの掃除機はどうやらブラシの回転と、そのじゅうたんを叩いて振動させる力でゴミを浮き立たせるシステムなのだとか。ということで吸引力自体はそんなに必要ないようです。ただしヘッド部分にブラシを装着させる関係で、このパーツが大きくなってしまうため小回りの利かないデザインになってしまうのですね。そう言えばアメリカで見かけるキャニスター式の掃除機も、ヘッド部分はやっぱりブラシ付きの巨大なのが一般的です。
うーむ、こうやってみると米国式掃除機も「これでいいのかも……?」と見る目が変わってきたような。手に負えない重さも筋肉トレーニングに必要だと思えば、一石二鳥……ちょっと苦しいけど、そういうオチでいかがでしょう(汗)?


















