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| ■古いWindowsのサポートが打ち切りになる |
Windows 98(SEを含む)とWindows Meのサポートが7月11日に打ち切りになった。ソフトウエアのサポート打ち切りは、食品の賞味期限のようなもので、多少期限の過ぎた牛乳を飲んで「ちょっとヨーグルト風味かな」でOKとする(?)みたいに、古い基本ソフトをそのまま使い続けることもできないわけではない。
打ち切りの理由だが、マイクロソフトによる「Windows 98、および Windows Me に対するサポート終了のご案内」を読むと、「ユーザーの皆様にセキュリティ上の危険性をもたらす可能性があるという理由に基づいております」とのこと。だが、技術的に対応できないわけではないのは、「Windows Fundamentals for Legacy PCs(レガシー・パソコン用のWindowsの基本)」を読むと分かるように、古いWindowsを使っている場合でも、現在のWindows XP SP2と同じセキュリティー機能と管理性が利用できるからだ。
古い基本ソフトもきちん利用できるように、マイクロソフトにも“もったいない精神”が生きているのかと期待すると、実はこの技術の適用には「ソフトウェア アシュアランスを対象とする」という条件が付いている。ソフトウェア アシュアランスについては解説ページを読んでもはっきりと分からないが、これは企業や団体向けのサービスだ。つまり、企業や団体で最新Windowsの購入予算が立たない場合のつなぎと言っていいだろう。
現在の状況からすると、次のOSであるWindows Vistaが来年1月に発表されるまでの買い控えに対する、営業面での補助のようだ。もっとも、MSが経営方針説明会を開催、Vistaが1月に出る確率は「“80%”という以上のことは言えない」という不安定な現状への対処かもしれない。
なお、Windows Fundamentals for Legacy PCsは、コード名で“Eiger(アイガー)”と呼ばれてきた技術で、ネットでは企業以外でも利用できるのではないかと多少期待されていたものだっただけに、米国のブログには残念だという声が多かった。
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| ■「レガシー」の意味は「ポンコツ」 |
古いWindowsのサポート打ち切りの話で、レガシー・パソコン(Legacy PC)という言葉が出てくる。このレガシー(legacy)という英語の意味は、遺産、遺物、先祖伝来の物といった感じなので、家宝のように持ってるとうれしいものかと言うと、そうではない。レガシー・パソコンというのは「現代じゃもう使えない旧時代パソコン」という意味だ。ちょっとレガシーな日本語でいうと「ポンコツ・パソコン」ということだろう。
現在使っているWindows XPがレガシーになるのは、Windows Vistaが登場してから2年後なので、予定通りなら2009年にはWindows XP(SP2)のメインストリームサポートは終了する(延長サポートがこの後5年間続く)。ただし、Windows XPにはサービスパックも提供されているので話は少し複雑になる。サービスパックでアップグレードできる製品の場合、サービスパックがリリースされてから12カ月間、もしくは製品のサポートライフサイクルの終了日のうち早く終わるほうがサポートの対象になってしまう。SP2にしていないWindows XPは今年の10月10日にはサポートが終了するから、まだの人は早めにアップグレードしたほうがいい。
企業対企業という関係ではこうした打ち切りの期限があるのは理解できないことではないが、家電品化してきたパソコンに私企業で決めるサポート打ち切り制度があるのは次第に問題になってくるかもしれない。
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| ■Web2.0がパソコンをレガシーにしてしまうかも |
パソコン技術が進歩し、古いパソコンがどんどん利用できなくなるという傾向ばかりかと言うとそうでもない。比較的低機能なパソコンも注目されている。100ドル・パソコンを全世界の子供に配布しようという「One Laptop per Child」いったプロジェクトもある。
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| ▲ 100ドルパソコン(photo by Pete Barr-Watson) |
従来ならそんな低価格のおもちゃみたいなパソコンは実用にならないということだったが、現在では、ブラウザが搭載されていてインターネットに接続したら、あとは必要なアプリケーションはすべてWebアプリケーションで利用できるようになってきた。
いわゆるWeb2.0の変化で、パソコンの作業がこっち(デスクトップ)からあっち(サーバー)の世界に移ってしまったからだ。こうなってしまうと、それほど高機能なデスクトップ・パソコンも高機能な基本ソフトも不要だ。最近のネットの話題でいうなら「Ajax IME: Web-based Japanese Input Method」を使うと、ローマ字日本語変換までWebサービスでできてしまうのだ。
現在パソコンで主流のWindows XPからWindows Vistaへの移行につまづいていると、その間に高機能パソコン自体がレガシーになってしまうかもしれない。
| 筆者紹介 佐藤 信正(さとう・のぶまさ) |
| テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。小学生のときにアマチュア無線技士を免許をとり、無線機からワンボード・マイコンへ興味を移す。また初代アスキーネットからのネットワーカー。通信機器や半導体設計分野のテクニカルライターからパソコン分野へ。休刊中の「日経クリック」で10年間Q&Aも担当していた。著書「VBScriptハッカーズ・プログラミング」「JScriptハンドブック」など。
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