ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が2006年11月11日にリリースする新型ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」。その魅力と可能性をより深く掘り下げる開発者インタビューの最終回。今回は“ゲーム機”としてのPS3の未来について、同社コーポレート・エグゼクティブ ソフトウェア・プラットフォーム開発本部の川西泉本部長に伺った。


PS3では“ゲーム”は大事にしていきたいキラーコンテンツ

“ゲームはキラーコンテンツ”と認識しているSCEIコーポレート・エグゼクティブ ソフトウェア・プラットフォーム開発本部の川西泉本部長

――今後登場するPS3用のゲームを動かすために、そもそも「Cell」という高性能なチップは必要だったんでしょうか?

川西本部長:それこそがこちらからの提案で、ハードだけでなくコンテンツ自体も進化することを考えているんです。例えば、テレビゲームが生まれた頃の20年前を振り返れば、現在、ゲームとしても映像としても飛躍的な進化を遂げていますよね。それを踏まえれば、これから先の10年でもっとすごい未来が期待できるでしょう。それには技術的なイノベーションが必要で、それに見合うだけのベースのシステムを作っておかないと対応できません。ですから、今すぐにでもCellの性能がフルに必要というのではなく、コンテンツ側の進化を見越して搭載した、とお考えください。

――発売までにさらに新しい要素について発表はありますか?

川西氏:PS3は“発売して終わり”とは思っていません。E3で発表していない機能も進行中ですので、時期が来れば発表します。東京ゲームショウあたりでも、何かしらお見せしたいですね。

――まず最初はゲームコンテンツから、ということですね。

川西氏:やはりPS3にとってゲームは“キラーコンテンツ”ですからね。そこはもちろん大事にしていきますよ。

――本体発売前後のゲームの開発進ちょく状況はいかがですか?

川西氏:E3に実際に展示して遊んでもらったゲーム以外に、映像でお見せしたタイトルも進行しているので、そのあたりは発売日以降にお見せできると思います。

――今回のE3での任天堂やマイクロソフトの動きはどうご覧になりましたか?

川西氏:忙しくてあまりちゃんと見ていないんですが(笑)、それぞれ向かってる方向が違うということは分かりました。これだけハッキリ違いが出てくると、それぞれを“ゲーム機”とは一括できないですよね。

E3で特別展示された『GRAN TURISMO HD』。こちらはあくまでデモンストレーション的な出展だったが、グラフィックは確かに目を見張るものがあった


誰もが予想できる“PS2.5”的な仕様にはしたくなかった

――E3で出展されたゲーム機の中で、PS3が一番「こんなことができそうだけど秘密……」という要素が多かったですよね。

川西氏:持てるパフォーマンスから、コンテンツを想像できる範囲が広いんだと思いますよ。例えば今想像できる“PS2.5”みたいな範ちゅうでの進化は、僕らは望まないんです。もっとすごい“何か”は時間とともに見えてくると思いますが、半年や1年でそれが見えてしまうようなものではない。それだと予測可能な範ちゅうですからね。その先にぼんやり見えているものを、PS3に対する期待感と考えていただければいいんですが……。(笑)

――PS1発売からPS2まで、そしてPS2発売から今回のPS3までの間、それぞれゲームや映像は大きな発展を遂げてきたと思いますが、今回のPS3から先はどのような進化を歩むのでしょうか?

川西氏:PS1やPS2のときは映像的な進化というのは達成できていました。これから先はやはりネットワークに接続された環境の中で、より違った世界を切り開いていく必要がありますね。

 現在ネットに接続しているユーザーは、ブラウザでWebサイトを閲覧したり、メールを送受信するというのがほとんどですよね。でもそれだけではなく、もっと夢のあるネットワークの世界があっていいと思うんです。現在のインターネットの使われ方とは違う、別の次元のネットワークコンテンツが、我々が今後目指すべき方向だと考えています。

E3のコナミブースで上映された『METAL GEAR SOLID4』は、PS3で2007年リリース予定。日本でも人気のシリーズで、このタイトルのためにPS3を求める人も多いだろう

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