うたのおねえさんが描いた衝撃の新キャラクター

 カール・マルクスが現代にいたらこうつぶやいたかもしれない、「1つの怪物がネットをうろついている……絵描き歌から生まれた怪物が」と。ネットのネタとしてはもう旬を過ぎてしまったかもしれないけど、『NHKおかあさんといっしょ』のうたのおねえさん、はいだしょうこさんが4月28日に番組中の絵描き歌で披露したアートがネットの世界に衝撃を与えた。

こんな感じの名画(模写)

 きっかけはYouTubeに投稿された同番組の一部。著作権的に考えるととても認めるわけにはいかないので直リンクはできないし、すでに消去されている可能性もあるが、気になる人はキーワード「はいだしょうこ」で検索してみるといいだろう。

 絵描き歌で描かれるべき“スプー”がどんなキャラクターかはNHKのサイトをご覧いただくとして、しょうこおねえさんが歌に合わせて描いた作品は、もはやスプーとは思えないほど斬新なキャラクターとなった。その芸術性の高さは、うたのおにいさんが思わず「画伯っ!」とツッコミを入れたほどだ。

 ウィキペディアの「はいだしょうこ」の項目には「絵描き歌のときにイラストを披露することがあるが、絵が苦手らしく、お世辞にも上手とは言えない」とあるが、苦手というより、それはすでに“モダンアート”の域に達している。ウィキペディアの同項目の2006年5月22日 (月) 02:02版にはアスキー・アートで模写が転載されていた。

アスキー・アートによる模写


新キャラクターの活躍が目覚しいネットの世界

 しょうこおねえさんが描いた新キャラクターには、たくさんの人がインスパイアーされた。ブログ「移譲記章」の【怪物スプー】 しょうこ画伯補完 【歌のお姉さん】にはネットに寄せられたオマージュが数多くまとめられている。特に同ページ中、スプー No.1からスプー No.29までが面白い。個人的には、移譲記章 ≫ スプー No.16のクッキーが素晴らしい。

 ブログ女王としての名声を眞鍋かをりと二分する“しょこたん”こと中川翔子も冒険者たちのバラード - しょこたん☆ぶろぐで素晴らしい絵を公開。「似せるのは難しいね…翔子も絵かき歌聞きながらかいたけど」とネタ元を明かさないところがブログ通。さらになに-しょこたん☆ぶろぐに発展。

 ネタ元のYouTubeにも、オリジナル作品YouTube - 破壊神スプー saitama city under attack by spooが投稿されている。

 ヤフオクにも登場、といってもすでに終了してしまったので閲覧できないかもしれない。ブツはこちら例の化け物で閲覧できるはずだ。


変わってしまった世界の以前の世界には

 ところでこんな話、結局はネットに一時期流行して終わるネタということなんだろうけど、少し気になることがある。Googleをキーワード「スプー」と「はいだしょうこ」で検索してみると、このネタばかりが引っかかる。

現在の検索ではネタばかりが引っかかる

 「スプー」か「はいだしょうこ」か一方のキーワードでもこのネタが上位に来る。Googleは、多くの人が必要とする情報を検索の上位にランク付けするようになっていると言われている。確かに現在はこういう情報を多くの人が求めているのだろうが、これいいのだろうか。

 些細なこと言えば些細なことかもしれないけど、この1、2週間で変わってしまった世界の以前の姿はどんなだったのだろうか。Googleには、使い勝手は良くないが、特定の日時までの情報に限定して検索するオプションがある。2000年1月1日から2006年5月1日までと限定するには、キーワードに"daterange:2451545-2453857"を追加すればいい。この数字はユリウス通日を意味している。

 このオプションで検索すると、スプーとうたのおねえさんが平和だったころの検索結果がGoogleに映し出される。

ネタに影響されない検索結果が表示される

 daterangeオプションはWebページの更新日を見ているだけで、実際にリアルの歴史を反映しているわけではない。このオプションの使い勝手が悪いのも誤解を避けるためかもしれない。ネットには過去の記録がどんどん蓄積されていくが、Googleの検索ではある時点の歴史の断面を十分に呼び戻すことはできないのだ。(佐藤信正)

著者

佐藤 信正(さとう のぶまさ)

テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。小学生のときにアマチュア無線技士を免許をとり、無線機からワンボード・マイコンへ興味を移す。また初代アスキーネットからのネットワーカー。通信機器や半導体設計分野のテクニカルライターからパソコン分野へ。休刊中の「日経クリック」で10年間Q&Aも担当していた。著書「Ajax実用テクニック」「JScriptハンドブック」「ブラウザのしくみ」など。