「動け!鉄人」「パンチだ!鉄人」――ビルの谷間を“ズシン、ズシン”とかっ歩する巨大ロボット「鉄人28号」。作品を知る者なら、誰しも「あのリモコン」で劇中の正太郎少年のように操縦してみたいと思うことだろう。

 その夢の実現に一歩近づけるのが電子機器の開発・製造を手がけるヴイストンの「鉄人28号ロボット」だ。しかし、その“夢のプライス”は、なんと35万1750円! 身長38cmのロボットのお値段としてはかなり高額では? いや、「決して実現することなどない」とあきらめていた夢がかなうのなら、案外安い買い物なのかもしれない……。

「ビルの谷」に栄える鉄人28号。このリアルなプロポーションのロボットを意のままに操ってみたい、そう夢見る大人は少なくない

 実際、2005年に発売した実写映画版「鉄人28号」のロボットは、200体を既に完売するほどの人気。そして今回、同社は「ぜひアニメ版を!」というファンの要望に応え、2006年3月から新機能を加えた「TVアニメ版鉄人28号」ロボットを、100体限定で発売することにした。購入層は40〜50代が中心という。それでは大人のハートをがっちりつかんだ35万円のロボットの魅力と実力(?)に迫ってみよう。お話を伺ったのは、「鉄人28号ロボット」の企画と総合プロデュースを担当したロボクリエーションの金井進さんだ。

話を伺ったのは「鉄人28号ロボット」の企画と総合プロデュースを担当したロボクリエーションの金井進氏


鉄腕アトムは“AI”、だからリモコン操縦の「鉄人28号」を選んだ

――アニメ、映画を問わず世の中には数々の作品にロボットが登場します。その中から「鉄人28号」を選んだのはなぜですか?

金井氏:それは作るなら“本物”にこだわりたかったからです。日本のロボット作品の原点と言えば、「鉄腕アトム」と「鉄人28号」が挙げられると思います。鉄腕アトムはAI(人工知能)が入っているので、自分で考え行動しますよね? でも、いまのAI技術では、作品に出てくるようなアトムは作れません。現在はプログラムを入力して外部から操作するロボットが一般的です。アトムをリモコンで動かしたら、作品の世界観は壊れてしまいますよね? そこで「劇中どおり、リモコンで操縦できる鉄人28号を作ろう」ということで決まりました。

――最初は実写版のロボットでしたが?

金井氏:これは昨年公開された映画版「鉄人28号」とのタイアップということで実現しました。映画版ロボットの発売後、「ぜひアニメ版ロボットも発売してほしい」という要望をたくさんいただきました。映画版とアニメ版では細部のディテールが違うので、実現するには金型の修正が必要になります。これには予算も必要なので、なにかの機会を待って商品しようと考えていたんです。ちょうど2006年は鉄人28号が誕生して50年という節目になっています。そして原作者の横山光輝先生が生まれ育った神戸の「神戸新空港」が開港しました。その記念として神戸の方々の協力もあり、今回100体だけ受注生産することになりました。

――前回は200体でしたが、今回は100体に減ったのはなぜですか?

金井氏:既に映画版が200体は売れていますし、価格や市場の規模を考えると適当な数量だと思っています。

映画版鉄人28号ロボットとの外観の違いは(1)頭部形状、(2)胸回りの装甲及びリベットの追加、(3)腕の大型リベットの再現、(4)足の塗装などがある さらに電源を投入すると、目が発光すると同時に、黒目が浮き上がるように工夫されている。アクションによっては劇中と同じく赤く発光し、“怒る鉄人”を再現できる

鉄人28号を操作するプロポ(送信機)。形状はアニメに登場する“あのリモコン”の様にはできなかったが、アンテナの先端が発光するあたりにこだわりを感じる

ラジコンのプロポのようにジョイスティック式ではなく、ボタンによる操作になっている。ボタンの組み合わせで数々の動きを再現する

NEXT 大阪にある複数の企業がその英知を結集したプロジェクト