クリスマス直前にご紹介したセガトイズの「ホームスター」、前回のコラムをご覧になって、プレゼントに購入された人もいるのではないだろうか。家庭で手軽に美しい星空を楽しめるというのがホームスターの魅力だが、一つだけ残念な点がある。壁や天井にぴたりとピントを合わせて、シャープな星空を投影できるのはいいのだが、部屋中に光をあふれさせることができないのだ。

ホームスターが織りなす星空のパノラマは美しいが、昔ながらのピンホール式プラネタリウムと違い、部屋全体ではなく壁や天井の一部に投影する“一点集中型”だ

 昔ながらのピンホール式(球状に作られた遮光体の表面に穴を開け、中心に置いた光源の光によって星を投影する)プラネタリウムなら、部屋全体に光があふれるのに……と考えていたところ、名案がひらめいた。

 「光学式プラネタリウムとピンホール式プラネタリウムを一緒に投影すれば、よりきれいに映るんじゃないだろうか?」

 そこで今回ご紹介したいのが、学研が発行する雑誌「大人の科学マガジン09号」の付録、“究極のピンホール式プラネタリウム”だ。こちらもホームスターと同様、「メガスター」の開発者である大平貴之氏が監修している。大人の科学マガジンでは名称を「究極のピンホール式プラネタリウム」として紹介しているが、一般的には“マイスター”の愛称で親しまれている。2005年9月26日に発売されたが、こちらも注目を浴びて注文が殺到し、しばらく売り切れ状態になっていた。予約を受け付けていたので注文しておいたところ、12月初旬に届いた。マイスターの何が大人たちを魅了するのだろうか?

“学研の「科学」”世代の郷愁を誘う「大人の科学」

ほぼ季刊で発行されている学研「大人の科学マガジン」
 学研の「科学」──。読者の方には、この名前を聞くだけで胸の奥がキュンとなる人も多いのではないだろうか。「毎号楽しみにしていたよなぁ」とか、「友だちが持っているのを指をくわえて見ていた」なんて、思い出し方もさまざまだろう。記憶は定かではないが、筆者の家では学研の「科学」も「学習」も購読することはなかったように思う。ただ、少年の好奇心をくすぐる「科学」の付録には、いつも心を引かれていたことを覚えている。

 1946年に発行され、いまだに連綿と続く学研の「科学」と「学習」。当時これらに接した最初の世代は、既に定年を迎える時代になった。高度経済成長や科学の急速な進歩を目の当たりにした世代。手塚治虫の描く21世紀の姿に憧れを抱いたこともあった。そんな幼い日々を思い出させてくれるのが、「大人の科学マガジン」なのである。

 前置きが長くて申し訳ない。さて、それでは「大人の科学マガジン09号」を早速開けてみることにしよう。「究極のピンホール式プラネタリウム」とはどのようなものなのか……。

中身を開けてみたところ、発泡スチロールの中に黒いプラスチック製の組み立てキットが入っていた。ねじが入っているのでドライバーは必須だが、ほかには特に工具などは必要ない

 箱を開けた瞬間に、胸が高鳴るのを感じた。ホームセンターで購入した工作キットを相手に、はんだごてを片手に持ちながら格闘したこと、その3割方は“負け”に終わったこと(つまり出来上がらなかったわけだ)といった苦い記憶が一瞬でよみがえる。

 このキットは、ドライバー以外に工具を必要としない。プラモデルのような「バリ取り」作業や不器用な人には鬼門となる接着剤も不要なので、安心して作ることができそうだ。時間がたつと面倒くさくなってしまいそうなので、気持ちの高ぶりにまかせて組み立てに取りかかった。

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