大人のデジタル道具箱:ホームスター

 東京は割と暖かい日が続いたが、11月半ばを過ぎると急に木枯らしが身にしみるようになり始めた。夜のとばりが降りるのも早くなったが、ビルの明かりやネオンの光に照らされ、待てど暮らせど漆黒の闇が訪れることはない。

 「母さん、東京の夜は星が見えないわけで……」などと、寂しい気持ちになってしまう。心も体も冷え切ってしまった時こそ、星空を眺めてほんのりと癒されたい。でも東京ではほとんど星は見えないし、冬の夜空はちょっと寂しいし……。「そういえば、中学2年生の林間学校で、檜原湖のほとりで見た、天の川は素晴らしかったな」。そんなことを思い出した。それ以来、一度も天の川を見ていない。あれが最初で最後の“天の川体験”になるのだろうか。ああ、天の川を見たい……。

 そう思っていたら、ありました! 冬に天の川のきらめきを楽しみたければプラネタリウムに行くしかないところ。だが、その“家庭版”とも言える製品が2005年7月に発売され、人気を博しているという。セガトイズの「ホームスター」である。そのホームスターでたっぷりと癒されるのか、試してみることにした。

世界初の“光学式”家庭用プラネタリウムとは?

2005年7月に発売された家庭用プラネタリウム、セガトイズの「ホームスター」
 ホームスターは「世界初の光学式家庭用プラネタリウム」として話題を集めている製品だ。テレビや新聞などでも幾度となく紹介されているので、ご存じの方も多いに違いない。価格は2万790円。「おもちゃ」としてとらえれば高価かもしれないが、そこがかえって本物志向の大人の心をくすぐるのだろう。

 なぜ人気なのか? その秘密は「光学式」というキーワードにある。今まで一般に販売されていた家庭用プラネタリウムは、「ピンホール式」を採用していた。これは球状に作られた遮光体の表面に穴を開け、中心に置いた光源の光によって星を投影するというもの。影絵を想像いただくとお分かりいただけると思うが、シャープな映像を作り出すことは難しい。

 「光学式プラネタリウム」というのは、光源から出た光を「恒星原板」と呼ぶプレートに通し、投影レンズによって星を投影する方式だ。星を投影するスクリーン(壁や天井など)に焦点を合わせられるため、シャープな映像を作ることができるという。しかもこのホームスターをセガトイズと共同開発したのは、個人で光学式プラネタリウム「メガスター」を作り上げた大平貴之氏というのだから、天体&プラネタリウムファンにはたまらない代物というわけだ。

ホームスターを上から見たところ。レンズ部分には「HOMESTAR」と書かれたふたが付けられている ふたを取ると投影レンズが姿を現す。レンズの周りにあるのはピント調節用のダイヤル。手前にある小さな穴は流れ星を投影するためのもの

 

ホームスターを前面から見たところ。中央にあるのが「恒星原板」をセットするプレート。電源スイッチの左には流れ星の投影をオン・オフできる「SS(Shooting Starの略だろう)」ボタン、その左には映像を回転させる「MOVE」ボタン、設定した時間で電源をオフにできる「TIMER」ボタンを用意している 恒星原板をセットするプレートを取り外したところ。こうやって見ると映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場する銀河共和国の巨大要塞「デス・スター」に似ている

 

ご覧になるとお分かりいただけるだろうが、意外にコンパクト。最初に見たときにはその小ささに驚いた 恒星原板をセットするプレートを外したところ。写真の中心にある丸いものが恒星原板だ

 

これが恒星原板。「恒星孔」と呼ばれる微細な穴が無数に開けられている

 さて、本体の説明はこの辺にしておいて、お待ちかねの投影に移ろう。

NEXT ホームスターの映り具合は?