前回までで、メール送信の仕組みとヘッダー情報の大まかな見方はすでにわかったと思う。いよいよ迷惑メール業者に一泡吹かせる方法を解説していこう。それにはまずWebサイトの「hdpar」(http://antispam.stakasaki.net/tools/hdpar-fr.html)とヘッダー情報を利用して苦情メールの送信先を見つけることになる。

 「hdpar」は「ABUSENET」という世界中のネット業者の苦情先をデータベース化した海外のシステムを利用している。このサイトで迷惑メールのヘッダー情報を解析すれば、データベースを参照して適切な苦情先のメールアドレスを教えてくれるというわけだ。迷惑メールは送信元の情報がでたらめなことが多いが、この方法を使えば迷惑メール送信に使われたプロバイダーやサーバー管理者などに、確実に苦情を叩きつけることができる。

Outlook Expressの場合、メールメッセージを選択して右クリック「プロパティ」→「詳細」タブを選択。「このメッセージのインターネットヘッダー」の中のヘッダーテキストをドラッグですべて選択して「コピー」しておく

Webサイト「hdpar」内の「メールヘッダーをコピー&ペーストしてください」と記入されている部分にペーストし「送信」をクリック

 画面に赤字で書かれた数字がでる。それが信頼できるIPアドレスだ。さらにページを下にスクロールすると、赤字のIPアドレスから割り出されたメールアドレスが赤字で表記されており「上策の苦情先」や「中策の苦情先」などと添えられている。このアドレスこそが、苦情を叩きつけるのに最適のメールアドレスということになる。

赤で囲った数字が信頼できるIPアドレス 

IPアドレスから割り出された苦情先と思われるメールアドレス

 このメールアドレスは上の方に記載されているものほど信頼できる。ただ、ひとつ気をつけなければいけないのは、一番上(一番手前)に表示されたIPアドレスだと自分のプロバイダー内の中継サーバーを経由した記録の可能性がある。

 例えばOCNとプロバイダー契約をしていて、一番上にOCNが現れた場合は自分のプロバイダーの連絡先である可能性が高いのだ。そこに「上策の苦情先」と書かれていても、確かに情報として正しくはあるのだが、迷惑メールを受け取った側の自分のプロバイダーに苦情を送ることになってしまうので意味はない。あくまで迷惑メール業者が送信に利用したサーバーの管理者を見つけなくてはいけないので、下の方を確認して、自分とは関係なさそうなドメインのメールアドレスを探そう。

 もし自分のプロバイダーの中継サーバーを確認したら、項目内に「ここの部分は受信側なので登録する」とあるので、チェックを入れて「受信側サーバ登録」ボタンを押せば、以後表示されないようになる。

 

「ここの部分は受信側なので登録する」にチェックを入れて「受信サーバ登録」をクリック。以後、自分の受信サーバーの詳細は表示されなくなる

 一番上のIPアドレスに対応した苦情先のメールアドレスが、自分のプロバイダーのドメインだった場合は、さらに下の方を確認する。赤く表示されたメールアドレスを見つけよう。よく確認して、自分のプロバイダーとは関係のないドメインを見つけたら、それこそが上策の苦情先だ。

 しかし「上策の苦情先」が出ない場合も稀にある。「下策の苦情先」が出ても少々信頼性に欠けてしまう。その場合にはIPアドレスから、送信元のプロバイダーの担当者や窓口などを割り出せてしまう方法がある。(涌井 健一朗)