前回お伝えした「【新iPod企画:その2】アップル vs. ソニー、「第5世代iPod」とPSPで動画を比較!」には、非常に多くの方からアクセスをいただいた。問い合わせのメールもいただき、その中に「なぜQuickTime 7 Proを使ってiPod 用のH.264 ファイルを作成してテストをしないのか!」とのおしかりもいただいた。

まず3400円払ってQuickTime 7 Proにアップグレード!

 前回もお話ししたようにiPod 用H.264動画を作成するにはフリーソフトの「QuickTime 7」を「QuickTime 7 Pro」にアップグレードする必要がある。これは有料で、AppleStoreでライセンスキーを3400円で購入しなければならない。

QuickTime 7を「Pro」にするには、QuickTimeのサイトやQuickTime中の表示からAppleStoreへアクセスし、ライセンスキーを購入しなければならない

 iPodは汎用のMPEG-4ファイルに対応しており、フリーソフトなどを使用すれば、テレビパソコンやテレビチューナー付キャプチャーユニットなどで録画したMPEGファイルをMPEG-4ファイルに変換できる。H.264 の高画質・低容量にこだわらなければ、iPod用のMPEG-4動画作成は簡単だ。

 しかし、純正ソフトを避けて通るわけにはいかない。iPodでH.264を表示すると、どれぐらい美しいのかも気になる。ということで、今回、QuickTimeからのH.264 動画作成に挑戦してみた。

これが3400円を支払う前のQuickTime 7の画面。iPod用動画を作成する「エクスポート」など、ほとんどの機能が利用できない「非アクティブ」になっている

AppleStoreでバーン!と3400円を支払う。これでiPod用ムービーをQuickTimeで作成できる……はず?

しつこいようだが3400円を支払ってライセンスキーを入力すれば、ご覧のようにすべてのメニューを利用できるようになる。ちなみにライセンスキーは「編集」→「設定」→「QuickTimeの設定」の順でメニューをたどり、入力する。ライセンスキーの入力画面を探すのに10分程度かかってしまった。ちなみにQuickTimeはマック版からお世話になっているが、今回初めて“Pro”にバージョンアップした

MPEG-2の再生には別途お金が必要だとは知らなかった……

 QuickTimeが“Pro”になればこっちのもの。さてH.264 ファイルを作ろうではないか! と、喜び勇んだのもつかの間、ぜんぜん変換できない。悪戦苦闘するうちに、インストールから3時間が経過していた。

 そもそも、このQuickTimeは汎用のMPEG-2ファイルすら再生できないのはおかしくないか。これは重大なトラブルなのでは? と、不安がよぎる。改めてQuickTimeの仕様を見ると、下の方に小さな文字でMPEG-2の再生について以下のような注意書きがあった。

*エレメンタリー形式およびマルチプレクス形式のコンテンツを、QuickTime 6 MPEG-2再生コンポーネント(Apple Storeにて別売)を通じて再生できます。

 要はMPEG-2を再生するには、さらに追加ファイルを購入するように、ということだった。日頃からQuickTimeを使っている人には「そんなことも知らないのか?」と笑われるだろうが、僕は動画再生にはほとんど「Windows Media Player」を中心に使っている。それで不満は感じたことはなかった。

 しかしQuickTime7が、汎用性の高いMPEG-2を再生するのに“さらに”お金が必要ということには驚いた。再生だけでなく、QuickTimeを使ってMPEG-2から他の動画ファイルを作成するには、この「QuickTime MPEG-2再生コンポーネント」は欠かせないらしい。ここまできたら後には引けない。で、その「QuickTime MPEG-2再生コンポーネント」はおいくらですか? はいはい、2400円ですね……(号泣)

2400円を支払うとQuickTime MPEG-2再生コンポーネントがダウンロードできた。あとは気を取り直してインストールするだけだ!
AppleStoreにて「QuickTime MPEG-2再生コンポーネント」を購入。(自分の無知を棚に上げておいてなんだが…正直、悔しかったなぁ)仕様はこちら

 総額5800円を投じてこれでQuickTimeはようやく“完全体”になった。これがドラゴンボールの敵なら、かなりの強敵になっているはずだ。さてその実力は? 早速MPEG-2ファイルをQuickTimeで再生。よし、ちゃんとMPEG-2を再生できるじゃないか(当たり前か)。次に再生中のプレーヤーから「エクスポート」選び、変換するファイル形式を選択する。H.264形式にするには「ムービーからiPod(320×240ドット)」を選択すれば完了だ。

変換する画像をQuickTimePlayerで表示して、エクスポートを選択する 5800円払ったので、こんなにもいろんな形式にムービーを変換できるのだが……

ええっ!それでもH.264に変換できないのはなぜ?

 作業開始から実に6時間が経過。既に窓の外から朝日が差し込んでいる。変換も順調……うん? フリーズしている!手持ちのMPEGファイルを選び直して再度変換を行ったが、MPEG-4へは変換できるものの、H.264への変換ができない。変換率が10パーセントを過ぎたところで必ずフリーズするのだ。使用しているパソコンはPentium 4の2.6GHzでメモリーは1GBを超えている。スペックに不足はないはずだ。もう一台ある同等スペックのパソコンでもテストしたが、結果は同じだった。

 この件に関してアップルコンピュータの広報に問い合わせてみると「一般にMPEG-2と呼ばれるファイル形式でも、作成した機器ごとに違いがあり、それによるものではないだろうか?」という回答だった。同社には引き続き原因を調査していただいているので、何らかの報告があり次第、ご紹介しようと思っている。

筆者紹介 鈴木 桂水
すずき・けいすい AV機器ライター。
 このところメーカーからの貸出機で御難続きだ。某ネットワークテレビを借りたところ、付属ソフトが期限切れ。夜中の3時までかかってセットアップしたのに……。その次は最新のデジタルレコーダーが届いたと思ったら、今度はB-CASカードが欠品しており、テスト不能。なんか年の瀬に向けて嫌な予感がしていたら、風邪でダウン。まさに弱り目にたたり目でした。そのせいか、今回は恨み節っぽいかな? それからメールをいただいた方にお返事を書いたのだが、不着で戻ってきてしまった。なので、この場を借りてお礼させていただきます。いつも本ページをご覧いただきありがとうございます。今回の結果ではご満足いただけなかったと思いますが、引き続き調査を続けますので今後ともよろしくお願いします。