いったんその対象となってしまったら、実生活にまで、そして未来永劫に渡って深刻なダメージを受けてしまう「祭り」。ブログサイトや日記サイトは、なぜ「祭られ」てしまうのだろうか。

 いや、考えるまでもなく、原因は明らかだ。問題は「ブログ」や「Web」という仕組みではなく、「祭り」の対象となってしまった人物の言動にこそあるという、当り前すぎてあらためて書くのもはばかられるようなことにすぎないのだから。

ファイル交換ソフトやオークションも「祭り」の原因に

 「祭り」は、ブログや日記サイトなど、サイト主が自分の主張や見解、体験談などを記したものだけを対象に起こるわけではない。

 例えば、近年に起こった「祭り」は、P2Pファイル交換ソフト「Winny」のネットワークを媒介に拡散する、通称「キンタマウイルス」などのマルウエアにひっかかったことに起因するものも多い。

 これらのマルウエアは、感染症状としてデスクトップのスクリーンショットやパソコン内部の画像ファイルなどを、勝手にネットへアップロードしてしまう。おかげで「Winnyを使っていた」という不名誉な(?)事実とともに、エッチなチャットのログ等々を流出させてしまった映像編集者や、複数の女性との情事中の写真を流出させてしまった元公務員などが祭られてしまった。特に後者はまったく落ち度のない交際女性の痴態を、顔がはっきり分かる状態で流出させてしまったという、最悪この上ない事例だ。

 ネットオークションへの出品が原因となった「祭り」もある。P2Pファイル交換ソフトを出品していた人物が「掘られた」結果、九州の公務員であることが判明して祭られ、さらなる「発掘作業」によって児童ポルノ画像販売やマルチ商法への関与といった疑惑が芋づる式に持ち上がってしまった件や、そこから飛び火して女性ミュージシャンにもマルチ商法関連疑惑が持ち上がった……といった事例が記憶に新しい。

   また、ネット上の言動だけが対象となるわけでもない。近年の例で言えば、若い女性タレントがTV番組で「子どもの頃、万引きを繰り返してお店を潰した」と発言したことで起こった「祭り」の勢いも大変なものがあった。

 もうおわかりだと思うが、「祭られる」対象は「非常識・非道徳的な行為や言動を誇示したり、裏でコソコソやっていることがバレてしまった団体や人物」であって、それがネット上で公開されているか否かは問題ではない。

誰にもある「祭りに参加したくなる」心情

   そもそも、「祭り」に多くの人が参加する心情は、ネット云々とは無関係に誰もが持っているもののはずだ。例えば、共通の知人の噂話や、社内の人事や、著名人の不祥事などで盛り上がったことはないだろうか? たまたま事故や事件の現場を通りかかって、思わず野次馬と化してしまったことはないだろうか? 異常な犯罪や不義不正を報じるニュースを見て、犯人を許せない!と思ったことはないだろうか?

   そんな、きっとあなたも持っているはずの心情が「祭り」を発生させ、盛り上げるのだと考える。

   たわいのない井戸端会議上の噂話だって、各種のネットワークを通じて広まる速度と範囲は予想をはるかに超えて速く、広い。また、その過程で各種の尾ヒレが付いていくことで、噂のネタにされた本人に深刻な社会的ダメージを負わせてしまうことも珍しくない。そして「井戸端会議」のネタがネット上にあるものなら、ネット上での「祭り」のネタとして便利に使える、というだけの話だ。

   ただし、噂話によるダメージは、多くの場合は居住地さえ変えれば当面「リセット」できるのに対して、ネット上ではその噂話が全国、もしくは全世界規模で展開されてしまう上に、未来永劫リセットできない点が大きな違いではあるのだが。

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