インスタント・メッセンジャー(IM)は根強い人気がある。ただしPCの前にいないと意味がない。そこで、注目したいのが携帯電話用IMだ。
インスタント・メッセンジャー(IM)は昔から根強い人気がある。ICQという元祖IMが登場したのは1996年のこと。未だに多くの固定ファンがいて、進化を続けている。
この手のコミュニケーション系アプリは、やりとりする(かもしれない)相手が多い方が利用価値が高い。そういった意味で、世界的にはAOLメッセンジャー、国内ではYahoo! メッセンジャーやMSNメッセンジャー(現Windowsメッセンジャー)あたりが現状では中心的存在だろう。
そもそもIMは、微妙な位置付けのアプリだと思う。相手がオフラインでも一応メッセージは残せるため、まずは、メールのような非同期型の要素を持ったコミュニケーション手段といえる。ただ、相手がオンラインで登場するやいなや、チャット状態に突入し、電話と変わらぬ同期型コミュニケーションに変貌する。IMは、同期・非同期両性具有型コミュニケーションとでもいえばよいのだろうか。
このようなIMの特徴を、上手に生かしているサービスもある。Yahoo! メッセンジャーなどは、オークションにおける手に汗にぎる落札攻防合戦お助けツールとしても、抜群の威力を発揮する。つまり、競り落としたい商品に誰かが自分より高値をつけると、すぐに知らせてくれるのだ。また、同じYahoo! メッセンジャーには、株価が変動すると知らせてくれるアラート機能もある。このようなIMの利用方法は、常時接続の普及で、ますますその威力を発揮している。 ●携帯電話用のIMの可能性
確かに便利なIMだが、いかんせんパソコンを起動していなければ情報の伝達能力は、メールとなんら変わりはない。そこで、登場するのが、最近は多くの人が肌身離さず持っている携帯電話を使ったIMだ。携帯電話の場合、多くの人がメールを受け取ったら、即、画面を確認するため、一種の常時接続環境を持ち歩いていることになる。ある意味、IMとすごく親和性の高い端末と言える。
携帯電話用のIMは、Yahoo! メッセンジャーをはじめとして、いくつかのサービスが立ち上がっている。ただ、現状ではパソコン用のIMのオマケの域を出ていなかったりで、あまり浸透はしていない。
そんな中、ちょっと面白いのでは? という携帯電話専用のIMを見つけた。「MIX(^O^)JAM」というiアプリで作られたIMだ。NTTドコモの504i以降の機種(505iSシリーズは一部非対応)、FOMAに対応している。今後、auやボーダフォンへの対応も検討されているとのことだ。
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| ▲ジクスソフトが配布する携帯電話用のIM「MIX(^O^)JAM」。利用は無料。現在の自分の状態を、相手の画面にポップアップ表示で伝えられる「状態表示」や、登録したユーザーの一覧画面「友だちリスト」から、メッセージのほか、電話やメール、テレビ電話なども発信できる機能を持つ。NTTドコモの504i以降の機種、FOMAに対応している |
MIX(^O^)JAMの詳細は上記のとおりだが、中でも「状態表示」機能には興味をそそられた。「運転中」「いま代官山付近」「会議中」「授業中」など、サービスへログイン中の友達の状態がバルーン表示される。また、MIX(^O^)JAMには「友だちリスト」に登録された各人の情報から、電話、テレビ電話(対応するFOMAのみ)、メールがワンタッチで発信できる機能がある。これも、携帯専用IMならではの機能で、なかなか便利だ。
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| ▲「運転中」「いま代官山付近」「会議中」「授業中」など、ログイン中の相手の今の状態がバルーン表示される。サーバーと定期的に通信を行うことで実現している | ▲「友だちリスト」に登録された各人の情報から、電話、テレビ電話、メールなどへの発信が可能。電話帳代わりにも利用できる |
実は、上記の2つの機能を触れるうちに、携帯電話のIMが持つ可能性を感じた。「状態表示」機能が進化して、自動的にお互いの状態を伝達できれば、双方に最も都合のよい通信手段でコミュニケーションできるようになると思うのだ。
現在は、どうしても相手をつかまえたい場合は、とりあえず携帯電話にかけるだろう。しかし、かけた相手が、携帯電話には出られないが、メールでなら応答できるというシチュエーションだったとする。そんなとき、「状態表示」機能で事前に相手の状態が分かっていれば、最適な通信手段でもって最初からコミュニケーションできるのだ。
さらに言えば、前々回の本コラム「今だからこそ復活してほしい『ワンナンバーサービス』」で述べたように、近い将来、モバイル向けIP電話が始まった際にも役立ちそうだ。相手がホットスポット圏内にいる場合、その情報を「状態表示」機能で自動的に受け取る。それを端末が判断して、相手とコミュニケーションを取りたい時は、携帯電話ではなく、より通信費の安いモバイルIP電話に自動的につなぐのだ。
現在の携帯電話IMは、メールよりディープなコミュニケーションツールという域を出ていない。しかし、将来、モバイル通信の“へそ”の部分で、目立たないけれど重要な働きをするアプリに育つ可能性を感じるのだ。もしかしたらそれは、IMという名称や機能ではないかもしれないが。
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筆者紹介山崎潤一郎(yamasaki@geomet.gr.jp) 1957年生まれ 蟹座のO型。本職は音楽制作会社のディレクターだが、インターネットに興味を持ち、ひょんなことからプロバイダーを評価する書籍を執筆。以来ネット系のライター稼業にも精をだす毎日が続いている。週刊アスキー、インターネットマガジン等に執筆。近著に『株の買い方・売り方が面白いほどわかる本』『稼げるIT資格親切ガイド(共著)』(中経出版刊)がある。 西日本新聞 「デジタルQ」連載「また買ってしまった」、Yahoo! Internet Guide連載「高速インターネット入門」も好評連載中。 |
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