物騒なご時世。自分の身を守るのは自分、ということで、前回に引き続きブロードバンド時代ならではの、ホームセキュリティの構築方法を紹介! 今回はセンサーと携帯電話を利用したアラートシステムを導入してみた。


 前回は、ブロードバンド時代ならではのホームセキュリティ構築法ということで、ネットワークカメラをDIYで導入してみた。ブラウザーから家の様子をチェックできるようになったものの、出先から四六時中画像をチェックするわけにはいかない。ということで、DIY型のITホームセキュリティの第2弾は、センサー連動型のアラートシステムの導入をご紹介しよう。

●センサーが反応したときに警告メールを発信

 今回取り付けた九州松下電器のカメラ「KX-HCM1」(5万2800円)には、ドアの開閉や赤外線センサーから信号を受け取ると静止画を撮影する機能が備わっている。そして、撮影と同時にあらかじめ設定しておいたサーバーにファイルをFTPしたり、所定のメールアドレスに警告メールを送信することができるのだ。

 この機能を利用することで「携帯電話で警告メールを受け取る」→「パソコンやPDAで画像を見る(対応する機種なら携帯電話でも閲覧可能)」という極めて現実的で実用的なセキュリティシステムを構築できる。問題はセンサー関係の工事だが、これもあっけないほど簡単。電気に関してはズブのシロートである僕ができたのだから、ほとんどの人にとっても、大きな問題ではないと思う。

 我が家の場合は、ドアに開閉センサーを取り付けてカメラに連動させてみた。センサーは東急ハンズで購入したごく一般的なもの(1800円くらいだったと思う)。ちなみに、各種センサーの情報は、松下電工の「電設資材カタログ」に詳しく載っている。

 工事が終了したらカメラの設定だが、これもいたって簡単。ブラウザーに表示される設定画面で行う仕組み。先日導入したブロードバンドルーターの設定の方がはるかに難しかった。

 僕の場合は、ドアがいったん空いて次に閉まった時の信号を検知して、各種アクションが起きるよう設定しておいた。そして、契約しているプロバイダーのWWWサーバーにカメラ画像を表示させるためのHTMLファイルを置いておく。カメラ画像がここにFTPされるように設定しておけばいい。侵入の瞬間のいわば証拠写真も保存できることになる。

 ここまでの工事や配線方法、各種設定方法は、九州松下電器のネットワークカメラのサイトに情報がそろっている。参考にするといいだろう。

ドアの上部に取り付けたセンサー。配線工事の処理がいい加減なのはシロートならでは? センサーは両面テープで取り付けてあるのでいつもで撤去可能

パソコンの画面で見た侵入者(僕です)がドアを閉めた瞬間を写せる

いつも持ち歩いているPDAで見た玄関の静止画

 実は、初期費用ウン十万円の高価なホームセキュリティを提供する警備会社でも、時代のニーズを汲み取って、ネットと携帯電話を利用したもっとお手軽なセキュリティシステムを販売し始めた。綜合警備保障では、「るすメイト」というマンションなどに住む単身者向けの簡易型画像監視システムを販売している。これは、弁当箱ほどの機器にカメラ、防犯センサー、フラッシュライトが内蔵されており、電話回線に接続して利用する。センサーが異常を感知したらカメラ画像を電話回線経由でサーバーに送信して、サーバーからは携帯電話にメールが届く仕組み。そして携帯電話でカメラの画像を見るのだ。

 費用もグンとお安く初期費用4万5700円(6カ月分のサービス利用料含む、以後6カ月毎に3900円必要)でOK。実はこの商品でうれしいのは、オプションでガードマンの出動サービスが付いている点(別途費用必要)。もし仮に画面に不審者が写っていても、遠隔地ではいかんともしがたいので、このサービスはすごく意味のあることだと思う。

 それに、玄関に貼る「SOK」シールも1枚付いている。このシールが貼ってあるだけで抑止力になるかもしれない。ちなみに、シールに抑止力があるのならシールだけを売ってくれないものかと思ったのだが「会社の信用にかかわるので、シールは厳重に管理してそれだけでは販売しない」(綜合警備保障・広報)のだそうだ。ただ、最近は警備会社のシールが貼ってあるところをわざわざ狙うドロボーもいるそうだが…。

●侵入者発見! その時はどうする?

 DIY型のホームセキュリティに話を戻そう。もし、外出中にアラートメールが来て画像を確認すると不審者が写っていたらどうすればいいのだろうか。例えば、前述の「るすメイト」には、ガードマンの出動サービスがオプション設定されている。これだけを切り出して販売してくれるとすごく安心だ。綜合警備保障に聞いてみた。「個人のお客様から、直接、現場確認サービス(ガードマンの出動の意)のみをお引き受けすることは今までありませんでしたし、検討したこともありません」(綜合警備保障・広報)とキッパリと否定されてしまった。

 うーん、困ったな。じゃあ、警察はどうだろう。警視庁の総合相談窓口に、ネット経由のカメラの仕組みなど諸々の事情を説明して対応を聞いてみた。「詳細は現場の判断になるが、そのような110番があったら基本的には対応する」という心強いお言葉。とはいえ、いざ現実となると「カメラに不審者が写っているから」というだけでは、緊急性なしと判断されて(本人も現場にいないことだし)、サイレンを鳴らして急行、というわけにはいかない気もする。

 そうなるとやっぱり頼れるのは「ネットワーク」ということになるのだろうか。例えば、電話を利用する手はありそうだ。留守録メッセージがスピーカーから流れるのを利用して「カメラで見ているぞ。警察に通報したぞ!」と威嚇することはできそうだ。それに加え、出先からネット経由で警報機を鳴らせるような仕組みを作っておけば万全かもしれない(そんな製品があるのかどうかわからないが)。

●ホームセキュリティの極意はスキを見せないこと

 さて、ここまでネットワークカメラのことを書いておきながら、それを否定するような言い方で申し訳ないが、ホームセキュリティの基本的な考え方として、カメラやセンサーのようなIT機器の導入以前にやるべきことがある。例えば我が家の場合は、玄関にカメラを設置したのだが、「空き巣の侵入で最も多いのは窓破りによるものです」(「危ない侵入者を防ぐ安全マニュアル」中西崇著、草思社刊)という専門家の指摘もある。玄関よりも窓のセキュリティをしっかりしろということらしい。

 確かに、我が家ではリビングの掃き出しの窓が、周りからも死角になり一番狙いやすそうだ。それに勝手口だの、寝室の小窓などその気になればガラスをぶち破ることで侵入経路となりそうなポイントはいくつもある。そんなわけで、防犯ガラス、窓ガラスに貼る防犯フィルム、開閉アラーム、補助錠などを必要に応じて併用している。

 さらに言うなら、家の周りをいつも掃除して整理整とんするとか、ドロボーにスキを見せないことも必要だという(お巡りさん談)。つまり、ホームセキュリティの真の極意は、日ごろの心がけなど結構精神的な部分に負うことが大きかったりするみたいだ。ネットワークカメラなどIT系の防犯グッズは、それをサポートするためのものと考えたほうがいいのかもしれない。ただ、あえて言わせてもらうと、僕の場合、カメラを取り付けたことで、外出時の不安感がいくぶん和らいでいる気がする。それはそれでカメラのご利益なんだろうなと思っている。


筆者紹介山崎潤一郎yamasaki@geomet.gr.jp
1957年生まれ 蟹座のO型。本職は音楽制作会社のディレクターだが、インターネットに興味を持ち、ひょんなことからプロバイダーを評価する書籍を執筆。以来ネット系のライター稼業にも精をだす毎日が続いている。週刊アスキー、インターネットマガジン等に執筆。近著に『株の買い方・売り方が面白いほどわかる本』『稼げるIT資格親切ガイド(共著)』(中経出版刊)がある。 西日本新聞 「デジタルQ」連載「また買ってしまった」、Yahoo! Internet Guide連載「高速インターネット入門」も好評連載中。